Critique of Games メモと寸評

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『ワールドネバーランド』リバーヒルソフト(PS 1997)

 20時間ぐらいプレイしたところでいいかげんに疲れてきた。
 本作品の副題は“Experience of fiction Life”で、数百人のNPCがガンガン動き回り、プレイヤーは、恋人をつくるなり、修行にいそしむなり、クエストを解くなり好きなことをやればOK。
 まあ、言ってみれば、『シムピープル』や『ガンパレードマーチ』をしょぼくした感じの一品。好きなことをやれるといっても、やれることはあまり多くない上に、かなり単調なので、『シムピープル』や『ガンパレ』に浸かってしまった人間にとっては、微妙につらい。
 ただ、『シムピープル』や『ガンパレードマーチ』よりもまちがいなく勝っているといえるのは、NPCの数。これだけのNPCを同時に動かしているというのは正直スゴイ。もっとも、これだけたくさんのNPCを登場させてしまったがゆえに、一人一人のNPCがあまりにも単純な「プログラム」くさくなってしまっていて、プレイヤーの中にフィクションの世界としてのリアリティを喚起させるのにあまり成功していないのだけれども。
 まあ、「たくさんの人間」が同じ世界の中に“いる”というのは、正しいといえば正しいのだけれども、我々の日常で、密接に関係を持つ他人っていうのは少ない人なら2〜3人、多い人でも100人にはならないのではないかと思う。そう考えると、密接に関係を持つ他人である5人〜15人ぐらいがきちんとしたキャラクターを持って登場していればまずはそれで十分なんじゃないか、という気がする。ただし、それだと世界を構成しているのがそこに登場している「5人」だけという雰囲気で、どうもものたりない、というのならば親密な他人よりももっと力を抜いた形で(インタラクティブな振る舞いをしない形で)遠くにいる他人を描くとかしたらどうだろうか。
 少なくとも100人のAIをぜんぶいっぺんに動かす、というのはあんまり手法として成功していないように思う。10人だけにフルパワーを使って、20人ぐらいはちょっとインタラクティブなふるまいをするだけ、80人ぐらいはテキストデータと画像データが貼っ付けられているだけとか。