Critique of Games メモと寸評

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『〈対話〉のない社会』中島義道 1997 ちくま新書

 言いたいことはわかるのだが、議論としてはひどくお粗末。
 中島義道自身が考えるところの「日本的」な文化状況の所為で、中島が苦い思いをしているのは非常によくわかるし、中島の構想するところの〈対話〉という行為が望ましいというのも感覚的にはわからんではないのだが、これじゃ単に「マイノリティー」たる中島の表明に過ぎない。〈対話〉が「社会」にとって、望ましいとされる理由がないじゃん。一般書とはいえども学者の書いたものなんだから、もうちょっとロジカルな議論として構成して欲しいなあ。げんなり。