Critique of Games メモと寸評

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『WinningPost5』がやたらダサいのはなんでよ。

競馬ゲームでは、ゲームをするのと同時並行で勉強したり、本を読んだりできるということを、『ダービースタリオン』をやってみて強く思い知ったので、『WinningPost5』(2002,コーエー,PS2)を980円で購入。*1
 
ダービースタリオン』と比べればいろいろなことができるし、やっていてつまらなくはないのだが、何よりも閉口してしまったのが、美術スタッフのクオリティの異常なほどの低さである。ゲームをはじめて何よりもはじめに、「ダッサ〜…」と呟いてしまった。
もっとも「レースシーンの映像を3Dでリアルにする」という部分だけは努力が払われているが、それ以外のインターフェイスまわりや、フォント選択、2Dの人物グラフィックスの水準がとても一流のゲームブランドが発売している名前の知れたゲームの水準とは思えない。(予算も開発期間も人材も足りていないようなタイプのクソゲーの水準と言ってよい)
たとえば、何の意味もないところで色々な種類のフォントを使ってみて、無駄に見にくくしていたり、リアル系グラフィックを使ってもドッターのレベルが低いために、処理がひどく汚くみえてしまったり、といった部分が至るところにある。
コーエーの他の作品は、確かに『NeoAtlas』や『エアーマネジメント』をやったときも、決してまともな水準の美術スタッフがいるとは思えなかったが、本作は特にひどい。美術・デザイン関連の素養が限りなくゼロに近い素人のおっさんが、とりあえず時間だけはかけて作り上げたといった風情を漂わせている。
 
しかし、おそらくこのゲームを主にプレイする層*2にとっては、このダサさは大して問題にならないということなのだろうか?そして、当然、コーエーとしても、それを見越してこの水準でかまわない、ということなのだろうか?
 
例えば、『Kanon』『Air』のようなギャルゲーの場合は、絵がヘタレであっても、あれはあれでああいう絵が喜ばれる世界があるのだろうけれども、本作の場合は、このセンスが喜ばれる層がいる、というイメージすらわかない。少なくともコーエーの美術スタッフの軽視っぷりには私はついていけない。
WinningPost 5

*1:内容が変わらずにバージョンアップを続けるタイプのシリーズは、最新作でない限り中古の価格が異常に安いという状況にある。たとえば、『ウイニングイレブン』シリーズなどでも、これとまったく同じ状況が生じていて、現段階で、『ウイニングイレブン7』が最新作のため『ウイニングイレブン6』の中古価格は480円ぐらいが相場である。(7の相場は3000円ぐらい。)

*2:どこらへんの人がやるんだろう?