Critique of Games メモと寸評

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『3年B組金八先生』に自分のボーダーラインを知る

3年B組金八先生 伝説の教壇に立て!

ネット上での世評通り、「金八先生」というところから想起されるもの以上にはよかったですが、「このゲームは私の興味対象から外れるな」ということをはじめて感じさせてくれました。その意味では、貴重といえば貴重な一本となりました。ゲェム右翼の気持ちにはじめて共感できるものを感じたとでもいいましょうか。

作品のクオリティはさておくとしても、表現手法上そそられる部分が皆無だったことが「私の興味対象から外れる」最大の理由です。

  • (1)道筋から外れるとほぼゲームオーバーになるのみ(「マルチシナリオ」というよりも、「マルチエピソード」。)
  • (2)道筋を展開するための手法は行動回数制限型のコマンド選択AVG

というつくりでして、本作を支持するファンですら、「まあ、あんまりゲームであることを期待してはいけない」ということを認めざるを得ないほどに、あんまりゲームではなかったです。最後までやるにはやったんですが、攻略サイトを見ながらやって、プレイしながらアニメ作品を見ているような気分でした。

 別に、「映画的ゲームなんていらない!」的な主張をしたいわけではなく「ああ、もう、これはよく出来たアニメ作品だな」といった感じで、別にこれはこれで全然アリだな、とは思うんですけれども。まあ、この作品ぐらいまでのラインにいくと、私の興味対象ラインの境界線からはみ出しちゃうなあ、という自分のボーダーラインを自覚してしまった、という。*1

 4話目ぐらいまでは微妙に萎える話でしたが、5話目ぐらいしてからのシナリオのクオリティは、職業的シナリオライターの方の仕事としては、確かにゲーム界隈の中では稀有な部類に属すると思います。

*1:このボーダーラインが狭いのか、広いのかはわかりませんが。私は自分のことをかなり広いほうだと思っていました。