Critique of Games メモと寸評

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ぱどタウンその4 「初めまして、何歳?」

 最近、ぱどタウンのほかにも、ハンゲームや、Saychatなんかにも顔を出している、ということを友人に話したら「井上くん、接してる文化が低年齢化の一途をたどってない?」と言われましたが、激しくその通りです。すみません。
 ぱどタウンにせよ、ハンゲームにせよ、全員が全員低年齢というわけではないのだけれども、そこを頻繁に利用している人々に低年齢層が多いというのは事実で、だからこそ、まだギリギリ20代前半である私にとってすら世代間格差のようなものがビビットに感じられてウォッチしがいがあり、面白いわけです。

 しかし、まあ、ぱどタウン等の主たる利用者である低年齢層の人々自身は、話し相手等を選定する際に「相手の年齢」に対してやたらと敏感で、ちょっと話した雰囲気で年上っぽい話方をする私を相手に、ほとんど失礼だといっていい振る舞いをしてきます。
 特に驚いてしまうのが、チャットや、書き込みの最初の言葉が「初めまして、何歳?」といきなり聞く、というもので、前に「初めまして、何歳?」と聞く子供*1に、実年齢を告げたらいきなり去ってしまわれたということもありました。

 2chとかだったら、「厨房」という言葉はあっても「リアル厨房」「リアル工房」といった語彙は二次的であり、「厨房」というのはあくまで相手の発言の「精神的レベル」に向かってなされる罵倒の言葉でしかないわけですが、ぱどタウンやらハンゲームやらで戯れている数多くの「リアル厨房」「リアル消防」などのみなさんがそういった「精神的レベル」判定へと進まないで、実年齢をいきなり聞いてしまう、という作法にいってるというあたりはなかなかに面白いことです。*2

 また、「ぱど彼」「ぱどカノ」「ぱど友」というぱどタウン内のコミュニケーションを取り結ぶ相手を彼らは募集していることが多いのだけれども、そこでも、年齢制限は激しくて、「ぱど彼募集! 以下の条件にあってる人!」などといった書き込みがなされる際に、「はしご禁止」「ダサ子じゃない人」「よくインしてくれる人」などといった、条件とともに、しばしば見られるのが「中1〜中3」とか「高1以下!」とかといった年齢制限で、制限に会わない場合は「無視する。」とか「面白い奴なら可」とかいった、条件が付け加えられています。
 10代なら確かに年齢を気にするのはわかることで、思春期を通して会話の会う/会わないが、小学6年生と高校生1年生の間には、わずか四歳の違いといえどもかなり激しいものを感じざるを得ないし、まあ、会話したくもないかもしれないし、そもそも会話ができないかもしれない。そういう場合に、これだけ年齢を気にする文化が出てくる、というのはわかる話ではあります。

 だけれども、さらに面白いのは、ぱどタウンに「登録」の仕方で、これが、ウェブ上に表示される年齢を書くと次に「それでは、あなたの本当の情報を登録してください」というかたちになっていて、ウェブ上で、「本当の年齢」を表記してくれる可能性というのをはじめからあまり高く見積もっていない、ということが登録の時点でガリっと出てしまってるわけですね。
 つまり、年齢をこれだけ気にしつつも、同時に本当の年齢は公然と隠蔽することが許可されている、ということです。この事態に対して、「はじめまして、何歳?」という不躾な質問を浴びせる子供達自身はどう思っているんだろう。

*1:多分

*2:もっとも、「初めまして、何歳?」はあまりに失礼な聞き方だという気がするので、できればやめてほしいのだけれども………といっても、それを「失礼」だと感じる感覚すらも、ぱどタウンという<場>が、ぬぐいさってしまい、それを標準的な発言とし、それに対して「失礼だ!」などという表明を発すること自体を「初心者」扱いしてゆくのかもしれないが。