Critique of Games メモと寸評

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Nikon UPx300で、致命的に設定でつまづきやすいところ四点

おそらく、現在、最も「電脳メガネ」に近い端末だろう、ということでいろいろあって運よく入手できた。
つまりゲーム的な文脈で言えば、ARG(代替現実ゲーム)の可能性につながるだろう、と。

いま、ちょうど使って見ているのだが、いろいろと設定がわかりにくい。
使い方やFAQは一応
http://www.uplab.jp/guide_index.jsp
とか、
http://www.upxup.jp/support/faq/
に書いてあるのだけれども、正直かゆいところに手が届かない(たぶん、テストユーザーの数なり、実際の使用者数が少ない所為だろうと思うが)。

とりあえず、つまづいたところ4点。

1.WEPキーの入力で弾かれる

 これ、最初、大文字の入力になってるから。
 小文字の入力に、入力切り替えが必要。複雑なWEPキーの入力はちょいつらいが…。

2.あれ、Yahoo!ニュースとか行けないんだけど…

 →キーを押しただけだとダメだ!
 →キーを、強く長押しするんだ!
 (あと、アクセスポイントが切れてると、むろん、だめ)

3.ジョグダイアルだと、サイトで縦方向しかいけなくね?

 △(上方向キー)で、ジョグダイアルの動作を横に切り替えられる。
 まあ、インターフェイスとしてかなり難ありだけどね。がんがる。


4.UPLINKの登録がわからないYO!

http://www.upxup.jp/support/index.html
 このページのメニューから設定ソフトを「ダウンロード」できる。
 ダウンロードして、PCに設定したら、USBで情報を、UPに送るらしい。

 で、ソフトをインストールしたら、UP300と、PCをUSBでつないだら、
 IDと、ログインパスワードを求められるので、

 下記のページに行って登録。
http://www.upmedia.jp/users/reg/

 (ここまでサポートセンターに2回電話してしまった…。サポートセンターのお姉さんthanksというのと、同時に、「わかりにくいなぁ」と強烈に感じたのも事実。)

 いま、設定してるところ。


 一応、半日使ってみたところの、短い感想。

 日本のゲーム・ソフト会社だったら、ここらへんのインターフェイス系のナビゲーションは、もう少し丁寧に作り込むところだけれども、いかんせんハード屋さんだということだろう。ハードの作り込みのクオリティは感動的。AR系アプリケーションが簡単に体験できるわけでもなく、インターフェイスや、具体的なユーザーエクスペリエンスデザインに関してはまだまだ、実験機という印象の枠内に止まる。ARG系のデバイスとしてもうちょっと乗り越えなければいけない壁を感じる。
 基本的には、ipod touchを、単眼HMD型+ヘッドフォンにしたみたいなものだと思ってもらえれば、80%ぐらい正しい。ただし、インターフェイスジョグダイヤルと、四方向の決定ボタンしかないので、インターフェイス上の制約が非常に大きくて、操作感が悪い。また、ヘッドフォンと単眼HMDをセットにするという戦略は、ある意味では非常に真っ当に考えた結果だと思うのだけれども、共同作業系の補助ツールとしてこれを使おうと思うと、周囲の音がシャットアウトされてしまうため、隣の人の声が聞こえなくなる。このハードウェアをベースにして、どうやってキラーアプリケーションを作るのかというのは、Nikonにとっても悩ましいところだろう。

 複合マルチメディアインターフェイスとしては、ipodや、携帯電話、携帯ゲーム機などが将来的な競合としてイメージされているのだと思う(だからこそ、インターフェイスが、別れておらず、ヘッドフォンの中で全て完結するようにデザインされているのだろう)。しかし、現状のインターフェイスの作りの未完成さからすると、どうしてもブルートゥースか何かで、コマンドは別のデバイスから送信した方がラクだろう。

 このデバイスが、受け入れられるためには、インターフェイスと、アプリケーションのブレイクスルーがないことには、厳しいだろう、というのがとりあえず一日目の暫定的な結論。

 むろん、おおまかな方向性としては、非常に慧眼だと思うし、ハードとしての作り込みにはいろいろと感動的なところも多い。
 ただ、このデバイスの利便性をうまく活かしたアプリケーションとして、ARGみたいなものを設計するにしても、ARGではスケールメリットを創出しにくいし、いったいどうすればいいのか、という感じがする。
 SekaiCameraや、Enkin,WikitudeのようなARアプリケーションがきちんとうまくワークしてきたらなば、これとうまく接続されうる気はする。ただ、i-phone,G-phone系で作られているAR系アプリのありうるかもしれない成功と、リンクしながら機能するためには、WiFiではダメなはずで、3G、WiMAXや、LTEといったタイプの回線が使える必要がある。

 UPx300および、UP300は、たとえ生産コストを30%〜50%ぐらい下げたとしても、まだまだ難しそうだ。LTEなど、いくつかの関連技術が軌道に乗ったタイミングあたりで、上手く二番目、三番目の製品を出してこれるかどうかが鍵になるのかな、これは。



 ちなみに、日曜にこんなイベント→http://www.uplab.jp/dbe.jsp やるらしい。
 用事があって行けないけど。