爆問学問で、シリアスゲームの話題をやる、ということなので、ちょっと簡単に参照先記事、として書いておきます。
シリアスゲームと、ゲーミフィケーションについては一緒だ、とみなすむきもあるのですが私および、一部の論者の間では、この二つは概念的に分けておこう、というはなしがけっこうあります。
1:同じところ
ゲームを娯楽以外のさまざまなシーンのために活用する、というところ。
2:違うところ
シリアスゲームは、あくまでゲームの作品をつくる、ということです。「このゲーム何するの?」って言われたときに、きちんとゲームを遊べるように作っておく必要がある。それがシリアスゲームです。
だけれども、ゲーミフィケーションというのは「ゲーム」である必要がありません。ゲーミフィケーションというのは、既存の活動の中にゲームの仕組みを持ち込むことです。
たとえば、消防士のシリアスゲームと、ゲーミフィケーションがあった場合
[ シリアスゲームの例 ]
消防隊の一員となって、ニューヨークの地下鉄駅構内で有毒ガスが撒かれた状況をどうにかするようなゲームなど。こういったゲームをプレイすることで、消防士としての訓練になる、といった効果が見込まれる。(※実際に『ハズマット:ホットゾーン』というシリアスゲームがあります)
[ ゲーミフィケーションの例 ]
消防隊の日常業務のなかに、うまくポイント制や対戦などで競技性をもちこんで消防士が日常業務を楽しめるようにしたりするようにすること。
ということになります。
シリアスゲームのほうがどちらかというと仮想空間をベースに行動をして、そこで得たものを現実空間に還元していくものだとすれば、ゲーミフィケーションは現実空間の行動をベースとして、仮想のポイントなどをその感覚にミックスしていくようなものです。
今放映されている、爆問学問では、この二つは区別されていないようですが、まあ世間的には「シリアスゲーム」も「ゲーミフィケーション」もマイナーなので、こういう紹介でも、まあいいかな、とは思います。
ただ、なぜ、私とかがこういう区分をするかというと、シリアスゲームの流れは、けっこう前(2000年代前半)からあるものですが、ゲーミフィケーションの話は、2010年から言われ始め2011年からバズった言葉です。
で、2000年代前半からある流れと、2010年あたりからはじまった潮流は、やっぱり全く別のことを起源としているし、面白さの方向性もちょっと違うのですね。この区別をしないと、今になってどうして「ゲーミフィケーション」ということ新しい潮流として論じるのかが、ちょっとよくわからなくなるので、なるべく区別をしています。
詳しい話は、本で!
井上明人『ゲーミフィケーション』(NHK出版)
http://www.amazon.co.jp/dp/4140815167