Critique of Games メモと寸評

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ルーブリック表の導入に関する個人的所感メモ

 

  • ルーブリック(Rubric)評価についての覚書メモ集積です。 

  • 基本的に、ルーブリック表の導入は、アクティヴ・ラーニングに関する話のなかでもかなりクリアでわかりやすい手法だと思う。ゲームづくりの理屈から言っても、評価方法を予め公開しておくことは合理的だと思う。
  • ただし、「学び合い」とかで論点となっている「学生自身が評価できる」という点についてはルーブリック表を注意深く作成・導入しないと、なかなか達成が難しいように感じた。
  • なお、それなりに先行研究が出てきている風だが、まだしっかりチェックしてません。繰り返しになりますが、個人的メモとして、参考程度にお読みください。

ルーブリック表作成にあたっての論点

:ルーブリック表作成にあたって:基本的にルーブリック表の出来のよしあしにかかわる議論は、心理学における尺度作成についての議論がかなり使えると思う。詳しくは、村上 宣寛『心理尺度のつくり方』(2006,北大路書房)や、村山航「妥当性概念の展開」などを参照のこと。主な論点として、信頼性の担保、妥当性の担保等について

  • 信頼性の担保:学生によって、評価指標の中身を教員側が意図しない形で読み替えてしまって、勝手な「自分ルール」で理解してしまうケースが少なくない。ダブルバレルなどを防ぎ、誰が読んでもある程度同じ解釈に落ち着くような文をつくることが重要だろうと思う。手間をかけてもよいのであれば、読解の同一性が保たれているかどうかのテストをきちんとやるとよいのでは。
  • 妥当性の担保:ルーブリック表の指標の妥当性をどのように担保するか。「優れたパフォーマンス」は、教員側の意図によって任意に決定可能だが、それは必ずしも望ましくない。これは操作主義的な妥当性概念である。次の三つの妥当性概念を検討することが望ましいだろう。
  1. 基準連関妥当性(criterion-referenced validity 尺度がその概念を反映している外的基準と相関するか。予測的妥当性・併存的妥当性)
  2. 内容的妥当性 (content validity 測定したい領域を反映しているか。網羅性やバイアスが考慮されているか
  3. 構成概念妥当性 (construct validity):理論的・仮説的な構成概念を測定しているといえるか。構成概念妥当性は、収束的妥当性 (convergent validity)と、弁別的妥当性 (discriminant validity)によって測定可能らしい。弁別性については、EFA(探索的因子分析)をやることで、共通因子の排除や、弁別性の強い評価ポイントを見出すことが可能だろう。

ルーブリック表導入にあたっての論点

  • ここでは、社会学における内容分析の調査実施プロセスなどが参考になるのではないだろうか。
  • 要するにルーブリック表の内容について把握してもらうための時間をきっちりと設けて、理解度テストなどのトレーニングも含めて実施する。
  • ただし、授業に欠席者が多いとあまり意味をなさないことがあるので、ルーブリック表の理解テストに合格しておくことを最終課題を出すための前提条件とかにしておく必要があるかもしれない。

 

 

先行研究っぽいもの(まだあんま読んでない)

Google Scolarでの検索結果「Rubric learning」

https://scholar.google.co.jp/scholar?start=10&q=Rubric+learning&hl=en&as_sdt=0,5

  • Roblyer, M. D., and Leticia Ekhaml. "How interactive are YOUR distance courses? A rubric for assessing interaction in distance learning." Online Journal of Distance Learning Administration 3, no. 2 (2000).
  • Andrade, Heidi Goodrich, and Beth A. Boulay. "Role of rubric-referenced self-assessment in learning to write." The Journal of Educational Research 97, no. 1 (2003): 21-30.https://www.tandfonline.com/doi/abs/10.1080/00220670309596625

 

他メモ

 

  • 今の所、授業でルーブリックを使っていて、解釈のブレの少ないルーブリック表を、丁寧に浸透させていくことで、最終課題のクオリティは、確実に上昇したという印象を持っている。
  • ただ、D大の授業では、課題のクオリティは間違いなくあがっており、学生の授業への満足度も高かったのだが、「自分の到達クオリティが高かった」という自己評価については、大学全体の授業平均よりもアンケート結果が下回ることになった。これは、やや高めの目標をクリアに提示しすぎたために、自己評価が低かったということなのか何なのかわからないが、自己評価はもう少し高いほうが嬉しい。授業担当者として褒めるべき部分を十分に褒められていなかった可能性や、提示した目標の水準が高すぎた可能性もあるので、要調整