Critique of Games メモと寸評

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PLANETS vol.10、宣伝と途中までの感想など

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 『PLANETS vol.10』、10月5日に発刊されました。

 さいきん、ネットから少し遠ざかっているなか、研究メモ以外のひさしぶりのエントリが宣伝的なエントリで恐縮なのですが…。

 ふわっとした宣伝&感想などだらだら書きます。

 PLANETS vol.10は、戦争と平和」特集ということで、私の原稿はともかく、伊勢崎賢治×黒井文太郎×橘宏樹の専門家座談会とか、藤井宏一郎さんによる平和マーケティングの話とか、消極性デザイン研究会の話とか、刊行されてからはじめて一読者として読みましたが、とてもおもしろく勉強になりました。

  • 上の原稿:戦争については、言うまでもなく非専門家なので、ゲームの話をする人としての立場から、話せる範囲でなんとか…というところでがんばりました…。PLANETSでやっている長い長い連載の、第一回、第二回あたりからつながるような話になるように、と思って書かせていただきました。
  • 少しだけネタバレしてもいいような話をダラダラすると、ホイジンガホモ・ルーデンスって、けっこう戦争と遊びの相性の話をいろいろとしてるんですよね。『ヴィンランド・サガ』とかで、ヴァイキング同士が、遊ぶように戦っている描写がありますけれど、たぶん、ホイジンガが扱っているのはああいうタイプの戦いのことだと思います。コンピュータ・ゲームにおける戦争って、そういうタイプの祝祭性みたいなものを、まだ系譜として引き継げているとは思うのですよね。一方で、日常風景の中に入り込んだ解決の難しいコンフリクトみたいなもの(いじめとか、差別とか)ってのは、祝祭的な「戦い」とは別のレイヤーの話だと思うのですけど、それが交じるというのがなんかすげぇよな、と思います。
  • 戦争と遊びの関係の歴史というのは、本当にいろいろな話があるので、そこの関係について、どれだけ書けていると言えるかはわかりませんが、それなりに面倒な話の、比較的わかりやすい部分をとりだして書いてみた…つもりです。
  • 伊勢崎×黒井×橘座談会:今回の号の原稿の依頼を頂いたとき、「おわっ、伊勢崎さんたちと同じ誌面で、戦争とかの話するのかよ…やべぇ…いろいろとヌルい話が許されない感じだ…」と緊張したのですが、やはり、伊勢崎さんらの座談会は圧倒的に面白かったです。情報量がすごいので、あまりどういう方向にまとめるというのもアレなんですが、個人的に橘さんがこの座談会のなかで置かれた立場がちょっと面白かったなと思いました。橘さんは一応、学部時代に国際政治学系の話をやられたということなので、戦争関連の話を全く知らんわけではないけれども、そっち系の外交担当とかで仕事をされてらっしゃるわけではないので、質問の粒度が、ほどよく僕の知識量プラスαぐらいの感じで、専門的になりすぎる手前で話を引き戻してくれていたのがよかったです。
  • あと後藤さんによる脚注とキーワードも、非常に読み応えがあって勉強になりました。
  • 藤井宏一郎さんの平和マーケティングの話は、なるほど、これがPLANETSの中に入ってくるのは非常にしっくりと来る…!という、驚異的なフィット感がありました。そして、なんか、細かい話がなんか、いろいろと他人事と思えないところとがいろいろありました。企業の人にこういうところにどうやってコミットしてもらうかとか、本当にむずかしい話を、やってらっしゃって、ただただ尊敬。
  • 消極性デザイン研究会のみなさんの話は、ほのぼのと読みました。

 

 というわけで、お買いもとめいただけましたら幸いです。

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