Critique of Games メモと寸評

http://www.critiqueofgames.net の人のブログです。あんまり更新しません。

ゲーム障害とパネルデータ(メモ)

はげひげ先生

higeoyaji.at.webry.info

加藤さんの記事

ゲーム依存から何が見えるのか | RAD-IT21

 

gendai.ismedia.jp

  • どちらも、パネルデータの話をしているが、まさにそう。
  • 単発の調査だと、まあ、DSMなり、ICDなりの尺度でやれば、Gaming Disorderないし、Online Gaming Disorderにあてはまる人は発生するが、かなり露骨に、同時性の問題が起こるタイプの話であることは明らかなので、因果関係の推定をやらんと、マジでアカンという話になる。
  • 基本的に、この手の社会的な障害だと当然そういう話になる。
  • 井出さんとこで、いくつか、pre-postのパネルデータの話をしているが、パネルデータと、単発データは分けた形での、literature reviewをきちんと見ていくことが必要だろう。
  • 後ろ向きの推定ということだと、非連続回帰デザインとかはこういうケースだと難しいから、あー、っていうか、まさに香川県と、周辺の四国でのパネルデータをためておくのが正しいよな……。
  • 過去のデータで、同一被験者でのパネルデータというのは難しそうだけど、同一地域の調査ぐらいはできるだろうなあ。
  • ここらへんで、後ろ向きの推定をやるデータをゲットしようぜという感じに気力を働かせていけないあたりを我ながら反省。

gamification関連論文 雑に収集

随時更新

Wiki的に使用します。

 

民主主義、倫理基準系

 

Playing (with) Democracy: A Review of Gamified Participation Approaches

Sarah-Kristin Thiel

Michaela R Reisinger
2016, Journal of E-Democracy and Open Government

 

https://www.academia.edu/30517654/Playing_with_Democracy_A_Review_of_Gamified_Participation_Approaches?email_work_card=title

 

 

Kim, T. W., & Werbach, K. (2016). More than just a game: ethical issues in gamification. Ethics and Information Technology18(2), 157-173.

More than just a game: ethical issues in gamification | SpringerLink

 

次のような論点に言及(abstract)より

(1) takes unfair advantage of workers (e.g., exploitation); (2) infringes any involved workers’ or customers’ autonomy (e.g., manipulation); (3) intentionally or unintentionally harms workers and other involved parties; or (4) has a negative effect on the moral character of involved parties.

(1)労働者を不当に利用する(例:搾取)、(2)関係する労働者や顧客の自律性を侵害する(例:操作)、(3)労働者やその他の関係者に意図的または無意識に損害を与える、(4)関係者の道徳性にマイナスの影響を与える、

 

 

Toda, A. M., Valle, P. H., & Isotani, S. (2017, March). The dark side of gamification: An overview of negative effects of gamification in education. In Researcher links workshop: higher education for all (pp. 143-156). Springer, Cham.

 

教育におけるゲーミフィケーションの負の効果

abstractからの引用

最も多く発生した効果は「パフォーマンスの喪失」、最も多く引用されたゲームデザイン要素は「リーダーボード」であり、その他11の要素の中で最も多く引用されたのは、この「パフォーマンスの喪失」でした。さらに、これらの要素がどのように結果に影響を与えたかを明らかにするために、要素と効果を関連付けました。その結果、ゲームデザインが負の影響を与える可能性があることがわかりました。例えば、リーダーボードは、この研究でマッピングされた多くのネガティブな影響と強く結びついています。この結果は、学習環境におけるランキングシステムに関する心理学の文献によって裏付けられている。私たちは、ゲーミフィケーションの指導者や専門家が、教育現場において、ゲームデザインの要素を避けることによって、これらの悪影響を回避するための指針として、この研究が有用であると確信しています。

 

 

 

 

臨場感(≒sense of presence)の質問紙による測定手法などのメモ

 

Sense of Presenceの尺度関連論文

 
VR系の研究だと、質問紙というか、f MRIとか、唾液調査とかの神経生理学的な調査をやっていたり、やや手間のかかるフェイクを交えた実験法を用いているという印象があるが……、質問紙調査のスタンダードなものについて、調べていくものとする。

 

無難に臨場感の訳語ということになっている、"sense of presence scale" などで、検索すると、

下記の論文が質問紙としては、かなり参照数が高い。(5000越え)

 

 まあ、標準的に用いられているスケールなのだろうと思える被参照数。ここまで、メジャーだと、たぶん日本語圏でも訳されたものがあるだろうと、検索すると、下記の論文が見つかる。   実際の質問紙もついており、参考にしやすいが、独自の指標も付け加えたとのことなので、「独自」部分についての評価は、ちょっとどうしたものかがわからない。
 
 
 
 なお、VR系での臨場感概念についての議論を探すと、下記の論文が見つかる。
 
こちらでは、質問紙調査としては、以下のものを代表的なものとしている。
寺本et.al. 2010の指摘は、最初に読むものとしては勉強になる記述が多い。  
臨場感をいかに測定するかという問いに対して数多くの研究が行われてきた.そこでは,高臨場感創出要因が数多く見いだされ,様々な臨場感評価法が提案されている.たとえば,臨場感を生起させる要因は,外部要因(メディアやコンテンツ側要因)と内部要因(ユーザー側要因)に大きく分けられ[18],外部要因には感覚情報の提示範囲,インタラクティブ性,ユーザーによる環境の変更可能性[16]やコンテンツの内容[10],他者とのコミュニケーション可能性[22]等が含まれる.内部要因には,ユーザーの知覚・認知能力,運動能力,パーソナリティ,年齢,性別,観察時の気分が含まれる[18][19][21]
 
 これまで刺激を受ける感覚モダリティが増加するほど,現実場面での我々の感覚経験に近づくため、臨場感は増幅すると考えられてきた[16][24][13].たとえば,視覚だけでなく,聴覚[i]や自己受容感覚[18]を同時に刺激し,臨場感を増幅させようという試みがいくつも存在する,しかし,高臨場感の実現に関して,すべての感覚モダリティからの入力が寄与するのか,あるいは特定の感覚モダリティからの入力のみ(感覚モダリティ選択性)が寄与するのかについては,これまで明らかになっていない.また,複数の感覚モダリティからの過剰な入力は,臨場感体験場面において極度の感覚的・精神的疲労を生じさせる可能性も考えられる[13].
 
 なお、WitmerとSingerの論文は、1998はアクセスが有料なのだが、2005にリヴァイスされて因子分析をしているものは下記からアクセスできる。

https://stars.library.ucf.edu/cgi/viewcontent.cgi?article=6778&context=facultybib2000

 

下記の日本語論文、福森聡,2005のP24-P25の質問紙は、上記のWitmer and Singer 2005の問を翻訳して、調整している。

 

Social Presence関連

Sence of Presenceに、他者とのコミュニケーションが重要なのではないかという、指摘はよくわかる。下記の論文が該当論文とのこと。
 
 
 
この論文自体が何かを示しているというよりも、"Social Presence"についての議論を整理したりしている。だいぶ古い論文なので、ここから、数珠つなぎに、Social presenceについてのLiterature Reviewをしている文献を探したほうが良さそう。 この論文を引用しているもの一覧
 
この中でも、たとえば、Sense of Presenceではなく、Social Presenceについての議論をまとめた、下記の論文などは面白そう。
 
VR系の文脈でいくのかと思ったら、Social Presenceの定義の最初に引っ張り出されるのが、Goffman 1959。そして、Social Presenceの概念にも、そもそも、いくつかの側面があることを整理している。この論文の表1は面白いし、勉強になる。大きく、3つの領域を分けている。訳語は適当にわりふったが、まあ、ちゃんと調べたほうがよさそう。
  • Copresence: colocation, mutual awareness(共在、コロケーション、相互認知)
  • Psychological Involvement(心理的関与?)
  • Behavioral Engagement(振る舞いのエンゲージメント)
 
なお、表2も面白い。Social Presenceについての、自己申告系の質問紙調査での、尺度となっているものをいくつか紹介している。 これも、大くくりの領域を定義している。
  • Perceived social richness of the medium(メディアのソーシャル・リッチネスの知覚?)
  • Involvement, Immediacy, or Intimacy(関与性、即応性、または親密性)
  • Social judgments of the other(他者の社会的判断)
  • Single or two item measures(シングルまたは2項目の測定)
最後の表3もよい。

 
 
ちなみに、Social Presenceについて、ビデオゲームのモチベーションの問題などを扱ったものもある。 Social Presenceについて扱った比較的新しい論文だと下記がある。
 マーケティング系の話にいっているので、VRという感じとはちょっと違うが……。  
   
 
 

ゲーム系評論サイトの歴史(@日本語圏)をもうそろそろ書いてもいいのかもしれない。

佐倉葉ウェブ文化研究室の記述を読んでいて、思ったのだが、

 

websitemap.sakura.ne.jp

2000年前後ぐらいの、ゲーム系テキストサイトの歴史というのは、もうほとんど、みえなくなってる気がする。

「web ring」とか、「Read Me!」とかにみんな登録していた時代について語るのは、もう完全にインターネット老人会という感じになっていきているけれども、ジャンル別のテキストサイト史というのは、もうそろそろ、みんな記憶があいまいになりはじめているタイミングだと思う。

 

Critique of Gamesのゲーム評論サイトのリンク集とか、ずっとそのままにしてあるんだけれども、

www.critiqueofgames.net

ここらへんのサイトの位置付けとか、誰か主観で語ったりしてもいいのかもしれない。

もはや、みんなあんまり更新してないし、変な言及の仕方をして怒りとか、嫉妬とかそういうことが巻き起こるリスクとかも、そこまでではなくなってきてるとは思うんだとよね。

売上,制作費,評価

下記、Anita Elberseが出している、映画の制作費と、興行収入の散布図だが、

 

toyokeizai.net

Adamsらが、メタデータと売上の相関で出しているデータも、似ている

www.eludamos.org

  • 前者は、「金かけて作ったけどコケた映画」は沢山あるが、「金かけてないけど、すごくヒットした映画」は生まれにくいことを示唆している。
  • 後者は、「隠れた名作」は頻繁にあっても、「売れすぎたクソゲー」みたいなものは、発生しにくい。
  • metacritiqueのmeta scoreや、制作費、User reviewなどを足し合わせたような変数をつくれば、概ね「作品のクオリティ」を示唆する変数として使えそうである。
  • 一方で、Meta Scoreと、制作費の関係はどうなっているのだろうか?

ゲーミフィケーション/シリアスゲーム 事例等リンク

やる気の出たときに、随時更新。ピックアップの基準は当面なし。特に良し悪し等も気にしないメモ。網羅性は期待しないで下さい。

 

凡例

  • [G]ゲーミフィケーション(日常等の非ゲーム文脈へのゲームの埋め込み)
  • [S]シリアスゲーム(ゲームそのものを通じた非エンタメ目的)
  • [A]アドバゲーム(ゲーム自体を通じて集金、広告。目的が単なる利益以外のものも含む。それ自体は単にゲーム)
  • [P]ゲーム開発プラットフォーム(それ自体はゲームではない)
  • [F]Fun Gimmick(遊びの仕掛け系。ゲーム的な構造はない。)
  • [B]ボーダーライン(カテゴリー化が難しいもの、複数カテゴリーをまたがるもの)

 

 

 

教育

多目的教育プラットフォーム

[P]Google Classroom + BookWidgets

Google Classroom自体はGoogleが提供する教育向けの汎用プラットフォームだが、これに付随する多数のWidgetが開発されており、gamifyするためのツールもある。

edu.google.com

[P]ClassDojo

www.classdojo.com

[P]Gimkit

www.gimkit.com

[P]Kahoot!(クイズ作成支援)

kahoot.it

[P]すらら

surala.jp

 

 

プログラミング学習

[G]Codecademy

www.codecademy.com

[S]Swift Playgrounds
Swift Playgrounds

Swift Playgrounds

apps.apple.com

[S]7 Billion Humans

tomorrowcorporation.com

[S]カルネージハート

www.amazon.co.jp

[S]パンドラプロジェクト

www.amazon.co.jp

 

英語

 

[B]lang-8(相互添削サービス)

lang-8.com

[B]iKnow
[S]Scribblenauts

www.scribblenauts.com

[P]Duolingo

 

 

数学/算数

[S]Slice IT

面積の計算

learningworksforkids.com

[S]The Counting Kingdom

四則演算モノ

store.steampowered.com

[S]Prodigy

funcreator.hatenablog.com

 

 

ネットリテラシー

Factitious.(fakenewsを見抜く)

www.npr.org

Troll FActory(荒らしを体験するゲーム)

trollfactory.yle.fi

 

医学教育

[B]ヒューマンアナトミーアトラス(医学部学生向け3Dツール)
[S]SAVE!(医療者向けの感染症対策啓蒙)

 

 

[S]パンデミック感染症を扱ったボートゲーム)

www.4gamer.net

 

防災

防災シミュレーションゲーム「クロスロード」

www.bousai.go.jp

 

その他教育

[S]コモンズの悲喜劇

tragicomedy-c.jimdofree.com

[S]Catan Oil Springs

www.catan.com

 

[S]Wikipedia 地方病 ビジュアルノベル

www.critiqueofgames.net

[S]Coming Out Simulator (同性愛のカミングアウトを扱ったもの)

fukuchi.org

[S]HEAD LINERS(新聞社のデスクになり、世論を操作)

 

[S]Legal Dungeon(警察官になり、被疑者の罪状を確定)

bitsummit.org

 

 

生活・ヘルスケア関連

家計

Zaim

zaim.net

節電

#denkimeter

www.denkimeter.com

 

 

ヘルスケア(Exergaming,活動量計など)

活動量計のゲーム的な仕掛けは無数にあるので、代表的なもののみで、あとは省略

[B]apple watch
[B]fitbit

www.fitbit.com

[B]nike plus

en.wikipedia.org

[B]ポケットピカチュウ

www.amazon.co.jp

あすけん(食事登録&成分計算)

www.asken.jp

 [S]SPARX(認知行動療法を通じたうつ病治療支援)

www.hikarilab.co.jp


[S]EndeavorRx(ADHD治療)

www.cnn.co.jp

 

[G]Keas(従業員の健康管理プラットフォーム?)
[B]SuperBetter(抑うつ対策)

janemcgonigal.com

Mango Health(服薬支援)

wired.jp

 

 [G]Benjamin Brush(スマート歯ブラシ)

bleepbleeps.com

[F] Piano Stairs

youtu.be

 Exergamingについては、下記のwikipedia項目なども参考になる。

Wii Fit
Wii Sports
Kinect Sports
Ring Fit adventure
Fit Boxing

 

なども、この系譜に含まれる。

en.wikipedia.org

 

ビジネス

 

CM

ARG系:多数(省略)

42 entertainmentなどが手掛けている。

PBL Service

badgeville
bigdoor
Gigya
Mozilla Open Badges(PBL系のオープンプラットフォーム)

openbadges.org

 

顧客エンゲージメント

[G]Starbucks – Gamification for Loyalty Programs

zinrelo.com

 

 

[P] GameBox

prtimes.jp

 

 

労働のゲーム化

Uber Eats

slowinternet.jp

Todoist

en.todoist.com

マジカ(業務フロー記述支援)

 

note.com

ゲーム的要素はあまりなさそうだが、業務サポートツールぐらいの位置づけか?

 

データ分析

 

[G]kaggle

www.kaggle.com

 

会議

Gamestorming

さまざまな手法があり、「GameStroming」のサイトや本によくまとまっている。

gamestorming.com

 

 

寄付(クラウドファンデング含む)

Kickstarter

www.kickstarter.com

Virtual Village(仮想の村経由で寄付)

ideasforgood.jp

[A]A Roof For My Country

adgang.jp

[A]Play Seeds

ideasforgood.jp

位置ゲー/旅

位置ゲーについては、大量にあるので、目についたものをパラパラと。

[G]foursquare
[S]Ingress
[B]ポケモンGO
[B]1log
[B]駅メモ
ekimemo.com
Goibibo(仮想のゲーム的なポイントがもらえる系?)

www.goibibo.com

 

 

科学/集合知の活用

[S]folidit(タンパク質の構造解明パズル)

fold.it

 Quantum Moves(量子コンピュータの設計パズル)

en.wikipedia.org

 meQuanics(量子コンピュータの設計パズル)

 

 

選挙/政治

[B]mybarackobama.com(ゲーム的な仕掛けのある選挙支援&管理SNS
[G]Hillary 2016(ゲーム的な仕掛けのある選挙支援&管理スマートフォンアプリ)

www.alessandramosenifar.com

 [S]The Howard Dean for Iowa Game(選挙活動の広報ゲーム)

persuasivegames.com

 

investigate your MP's expenses

ゴミ拾い/ごみ問題解決

[B]ごみ拾いSNSピリカ

sns.pirika.org

[G]スポGOMI大会

www.spogomi.or.jp

[B]Urban Rivers(テレイグジスタンスで川のゴミ拾い)

www.urbanriv.org

[F]The World's deepest bin(ゴミ箱に効果音)

youtu.be

家事

ChoreMonster

www.youtube.com

 

[S]Chore Hero

[S]Chore-Cards

[S]Chore Wars

Tody

[G]Chore Buddy

交通事故関連

[F]The Speed Camera Lottery(制限速度以内を走っている人にくじで景品)

youtu.be

 

[F]The Play Belt(シートベルトをしめると、モニターが動作する)

youtu.be

ゲーミフィケーション関連イベント

Gamicon:教育関連のGamificationのカンファレンス

https://gamicon.us/

 

Gamification Europe

gamification-europe.com – Gamification Europe Conference

 

参考リンク

 

積ん読ゆっくり消化中:松岡 亮二,2019『教育格差』ちくま新書など

 

昨年度の予算リミットがあと1時間で2000円ぐらい余っていたときに、生協で買った新書2冊。パラパラ読んでる。いずれも、かなり評判のよかった本だけあってすばらしい。「流行りの新書だから買う」というタイプの購買行動はあまりやらないので、こういうのもたまには良いなと思った。

 

松岡 亮二,2019『教育格差』ちくま新書

山口慎太郎,2019『「家族の幸せ」の経済学』光文社新書

 

 こまかな、感想については、専門の人が書いているだろうから、個別の論点については書かないが、すげーなと思うのが、RCTや統計的因果推論のようなものを社会科学の研究でやっていこうという感覚がもう完全に標準的になっているよな、という感覚が計量系の社会科学の人にはもうすっかりと浸透したよなあ、というのを改めて感じた。

 もちろん、どちらの本も読者として想定されるのは、一般読者層なので、データとして示されているのは、記述統計的なものや、比較的簡単な散布図ぐらいでとどめているところが多い。一方で、介入効果や、因果推論についてもところどころで論じられている。もっとも、RCT的な調査計画を社会科学でやるというのはそもそも大変なので、RCTがスタンダードになるということは、まだまだ遠い道のりがあるとは思うものの、DIDとか、RDDみたいな話は、すごい勢いで普及しつつあるよなあと改めて感じる。

 

2017年に書かれて、昨年出版された、プリンストン大の学部生むけの教科書である今井耕介『社会科学のためのデータ分析入門』(岩波書店、2018)(=Imai, K. (2018). Quantitative social science: An introduction. Princeton University Press.)とかでも、DIDとかが当然のようにさらっと書かれていてすごいよなあ、と思う。