Critique of Games メモと寸評

http://www.critiqueofgames.net の人のブログです。あんまり更新しません。

このブログについて

主にゲーム研究を中心とした研究関連のメモです。 プロフィール(井上明人 INOUE Akito): CURRICULUM VITAE/履歴書・業績書 - Google スプレッドシート Research map:https://researchmap.jp/akito_inoue/ http://www.critiqueofgames.net/2001/03/post_1…

小松 光, ジェルミー・ラプリー『日本の教育はダメじゃない ――国際比較データで問いなおす』2021、ちくま新書

日本の教育はダメじゃない 国際比較データで問いなおす (ちくま新書 1549) [ 小松 光 ]価格: 902 円楽天で詳細を見る 読んだ。 右派の人が喜びそうなタイトルだが、PISAデータなどを順当によみつつ、国際的な教育研究における日本の教育の評価や位置づけを…

東浩紀『ゲンロン戦記』(2020、中公新書ラクレ)

ゲンロン戦記 「知の観客」をつくる (中公新書ラクレ 709) [ 東 浩紀 ]価格: 946 円楽天で詳細を見る 遅ればせながら読んだ。下記、雑駁な感想。 東さんの本は、『動物化するポストモダン2』もそうだったのだけれども、自分が完全にお客さんというわけで…

『マナーな食卓』

正式な広報用のURLは、別途作成予定ですが、 『マナーな食卓』をご購入いただいた方向けのとりあえずの情報集約ということで、こちらに簡単な紹介用譲歩をまとめております。 →<公式ルール>(2021年4月10日更新) 『マナーな食卓』 3人用 対象年齢10歳以上…

2020年度の近況報告

お世話さまです。4月1日ということで、業績書の更新作業をしましたので、一年単位での近況報告です。 CURRICULUM VITAE/履歴書・業績書 - Google スプレッドシート 1.ゲームや、遊びの提案など 2.書いたもの Covid 19以前に書いたものが今年になってリ…

科学リテラシーをめぐるクイズ

植原さんの本と、標葉、福山、江間さんらの本。 どちらも、授業に使えそうな感じだが、大教室での講義用に使えそうなのは、後者の『残された酸素ボンベ』こと、nocobonだろうか。学生の眠気を覚ますためのクイズということでは優れている。ただし、たいがい…

都市空間と遊び系、メモ

『Tired of』 note.com 遊戯道路と、歩行者天国の制度 歩行者天国 - Wikipedia プレーパーク プレーパーク - Wikipedia 松陰神社通り http://shoin-dori.com/universal2.pdf イギリスでの取り組み,playing out 。かなり洗練されている。 Playing out - brist…

伊藤朋子,2013,子どもの「遊び」に関する教育人間学的考察,四天王寺大学紀要 第56 号,pp121-140

伊藤朋子,2013,子どもの「遊び」に関する教育人間学的考察,四天王寺大学紀要 第56 号,pp121-140 https://www.shitennoji.ac.jp/ibu/docs/toshokan/kiyou/56/kiyo56-09.pdf 主に、デューイの話を論じている。 J. Dewey; How We Think, 1933, p.210.から引用さ…

竹野 真帆(2015)『オンラインゲームは若年層に悪影響をあたえるのか?』夏目書房新社

著者の博士論文である 竹野真帆. (2014). オンラインゲームの訴求力とその若年層への影響を出版したもの。オンライゲームのポジティブな側面を示そうと、いろいろと悪戦苦闘している論文である。本のタイトルは売れ行きとかを考えて、ちょっと変えたというこ…

遊戯史学会の論文タイトル一覧

遊戯史学会の論文のタイトル一覧が公開されている。 J-stageなどで中身を見られるようになるといいのだが……。 sekaiyugi.com

ダニエル・キング、ポール・デルファブロ『ゲーム障害 ゲーム依存の理解と治療・予防』(2020,福村出版)

下記は、ダニエル・キング&ポール・デルファブロ(2018)の翻訳についてのメモ。 ゲーム障害 ゲーム依存の理解と治療・予防 作者:ダニエル・キング,ポール・デルファブロ 発売日: 2020/08/17 メディア: 単行本 非常によく調べられていて勉強になる箇所と、…

物語の認知的研究 先行研究メモ

Formenti, L. (2016). Complexity in learning biographies: A dialogical approach. (読めなさげ……) Pianzola, F. (2017). Cognitive Affordances, Aesthetic Effects and Social Functions: A Systemic Approach to Narrative Studies. https://boa.unim…

私の査読の書き方メモ(人文・社会科学)

査読の書き方について書いている記事というのが、ネットを探してもあまり、情報量が多くないので、個人的にこころがけている程度のことを書いておく。 特に、この書き方を守るべきだとか、そういうわけではない。個人的なメモ程度のものだと思ってお読みいた…

因果効果の推定は、創発的現象の機序の解明に寄与するのか?

学生と話していて、混乱を生みがちなポイントだと思ったので、メモ。 1.統計的にそれなりにきちんとした手続きを踏んで、因果効果が推定できることと、 2.創発的現象の機序を明らかにすること の間には、ダイレクトな関係はない。あたりまえだけれども。…

久保明教『機械カニバリズム』、東浩紀『哲学の誤配』

どちらの本も、ゲームをめぐる議論がかなり全体の議論をめぐる骨格部分で重要なものとなっている。 1. 機械カニバリズム 人間なきあとの人類学へ (講談社選書メチエ) [ 久保 明教 ]価格: 1815 円楽天で詳細を見る 久保,2018は基本的には、将棋の電脳戦に…

尾原和啓,2020『ネットビジネス進化論』NHK出版

ネットビジネス進化論 何が「成功」をもたらすのか [ 尾原 和啓 ]価格: 2420 円楽天で詳細を見る 尾原さんの新著。 尾原さんの本を読むのは、『ITビジネスの原理』『アフターデジタル』につづいて三冊目。 『ITビジネスの原理』と同じく、 なぜ、Googleのビ…

植原亮 2020,『思考力改善ドリル』:大学生向けの教科書として使いやすい内容。

思考力改善ドリル 批判的思考から科学的思考へ [ 植原 亮 ]価格: 2200 円楽天で詳細を見る ご恵投いただいた。感謝。 植原さんとは、関西大学総合情報学部に勤務していたときにお世話になり、何度かお話したが、哲学と認知科学の両方に興味がまたがっている…

Player Type Model

リチャートバートル的なものの、研究の積み重ね。 メモは随時更新。 Marc Busch, Elke Mattheiss, Rita Orji, Peter Fröhlich, Michael Lankes, and Manfred Tscheligi. 2016. Marc Busch, Elke Mattheiss, Rita Orji, Peter Fröhlich, Michael Lankes, and …

ルーブリック関連論文メモ

レビュー論文:Panadero, E., & Jonsson, A. (2013) ルーブリックが生徒の成績向上をどう媒介するか? 影響する変数、ファクターについて Reddy, Y. M., & Andrade, H. (2010) 妥当性と信頼性:Moskal, B. M., & Leydens, J. A. (2000). 効果実証:Andrade, …

ゲーム障害とパネルデータ(メモ)

はげひげ先生 higeoyaji.at.webry.info 加藤さんの記事 ゲーム依存から何が見えるのか | RAD-IT21 gendai.ismedia.jp どちらも、パネルデータの話をしているが、まさにそう。 単発の調査だと、まあ、DSMなり、ICDなりの尺度でやれば、Gaming Disorderないし…

gamification関連論文 雑に収集

随時更新 Wiki的に使用します。 Playing (with) Democracy: A Review of Gamified Participation Approaches Sarah-Kristin Thiel Michaela R Reisinger2016, Journal of E-Democracy and Open Government https://www.academia.edu/30517654/Playing_with_D…

臨場感(≒sense of presence)の質問紙による測定手法などのメモ

Sense of Presenceの尺度関連論文 Social Presence関連 Sense of Presenceの尺度関連論文 VR系の研究だと、質問紙というか、f MRIとか、唾液調査とかの神経生理学的な調査をやっていたり、やや手間のかかるフェイクを交えた実験法を用いているという印象があ…

ゲーム系評論サイトの歴史(@日本語圏)をもうそろそろ書いてもいいのかもしれない。

佐倉葉ウェブ文化研究室の記述を読んでいて、思ったのだが、 websitemap.sakura.ne.jp 2000年前後ぐらいの、ゲーム系テキストサイトの歴史というのは、もうほとんど、みえなくなってる気がする。 「web ring」とか、「Read Me!」とかにみんな登録していた時…

売上,制作費,評価

下記、Anita Elberseが出している、映画の制作費と、興行収入の散布図だが、 toyokeizai.net Adamsらが、メタデータと売上の相関で出しているデータも、似ている www.eludamos.org 前者は、「金かけて作ったけどコケた映画」は沢山あるが、「金かけてないけ…

ゲーミフィケーション/シリアスゲーム 事例等リンク

やる気の出たときに、随時更新。ピックアップの基準は当面なし。特に良し悪し等も気にしないメモ。網羅性は期待しないで下さい。 凡例: [G]ゲーミフィケーション(日常等の非ゲーム文脈へのゲームの埋め込み) [S]シリアスゲーム(ゲームそのものを通じた非…

積ん読ゆっくり消化中:松岡 亮二,2019『教育格差』ちくま新書など

昨年度の予算リミットがあと1時間で2000円ぐらい余っていたときに、生協で買った新書2冊。パラパラ読んでる。いずれも、かなり評判のよかった本だけあってすばらしい。「流行りの新書だから買う」というタイプの購買行動はあまりやらないので、こういうのも…

ゲーム関係で複雑系の階層的な創発(emergence)について扱っていると思われる論文メモ

井上がゲームを論じる際に使う「創発」概念について Soler-Adillon, J. (2019) Sutton‐Smith, B. (1992). The role of toys in the instigation of playful creativity. Creativity Research Journal, 5(1), 3-11. Pelletier, C. (2009). Games and learning…

村上征勝(2002)『文化を計る ―文化計量学序説―』朝倉書店

www.asakura.co.jp 同僚の本棚にあったのをパラパラ読んだ。 2002年とちょっと古い本で、計量化III類、主成分、クラスター分析等を使って多変量の判別をしつつ、なんとか議論を構築しているという感じの本。 簡単なメモ コラムで書かれていたショーロホフ『…

どこからが「ゲーム世代」なのか。

ビデオゲームの話がまったく通じなさそうな、ご年配の方と話しているときに、 「僕も、インベーダーはけっこうやりこみましたよ。僕も、ゲーム世代です。はっはっはっ」みたいな、申告をいただくことがたまにある。 ぶっちゃけ、99%社交辞令的におっしゃら…

ハンス・ロスリングほか(2019)『FACT FULLNESS』

昨年のベストセラー本。隅々まできっちりとではないが、ざっくり読んだが、読む前に抱いていた印象がだいぶ変わった。 なんとなくの印象で、本の売り方のうまい欧米のライターかなんかが書いた、わかりやすい本かなんかだろうと思っていただのが、アオリがう…