Critique of Games メモと寸評

http://www.critiqueofgames.net の人のブログです。あんまり更新しません。

漫画

「死の表現」をめぐって#02

1.『人間ども集まれ!』 テンパりつつも逃避する井上です。 9日の研究会関連の話題で。死の表現に関するネタとして人とだべっていて、「手塚は死のリアリズムにむきあっていた、とかって話があるけど、手塚にとっての<死の表象>つっても実は手塚ってダー…

デスノート4巻 と 「罪を犯す自由」。

本格ミステリマンガとして目下大ヒット中の本作ですが、今まで「頭の良さ」をがんばって描いてきただけに、今回はそれが反転する形で「頭の悪さ」の感触というのをリアルに描くことにものすごい成功を収めていて楽しいです。ここまでミステリ中心にゴリゴリ…

“マンガ表現論”の「失敗」をめぐって

前に夏目房之介の『マンガと戦争』の書評で「夏目流の表現分析だけでは、限界がある、ということを示しているのかもしれない。」ということを書きましたが、私と同様の感想として、夏目さんの露呈してしまった「表現論の限界」を厳粛に受け止めつつ、その先/…

夏目房之介『マンガと戦争』

以下はamazonに二週間前に投稿したレビューなのですけれど掲載してくれなかったようなのでこっちに載せときます。 誉めてはいないものの、それほど批判的な文章でもなかったので、ちょっと不思議。 - 戦後マンガをいろいろととりあげて時代ごとの作品・作家…

『最強伝説黒沢』3巻はすごい。だって、シートン動物記ですよ!

古谷実*1や、蓮古田二郎*2などよりも、問答無用に中年の「負け組」人間を描く『最強伝説黒沢』だが、今回の「『シートン動物記』に感動した!!」という描写は圧巻。 文脈としては、ボロボロな人生を生きてきて、仕事の同僚である工事現場の若者達に対しても決…

斉藤孝『スポーツマンガの身体』文春新書

素晴らしくくだらない。 斉藤孝さん流の「丹田に力をこめる」「身体論」が炸裂していて、ついていけない感じなんだけれども、最後まで読んでしまった。全般に斉藤さんのオイシイキャラがたまらない(以下、引用) P18 (大リーガー養成ギブスについて)一見…

『国民クイズ』

話自体もいいけれど、加藤伸吉さんの絵の存在感のほうが圧倒的によく生きている。豪快で、よく出来ている。

『ザ・ワールド・イズ・マイン』新井英樹

カミユキックとかサルトル絞めとか言わない限りでは最高。まあ、あといささか人物造形がステレオタイプではあるかな。でも、ステレオタイプはステレオタイプで、ステレオタイプとして素敵。