Critique of Games メモと寸評

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1月31日シンポジウム資料:RMTネタでの与太話など

2009年1月31日に、情報社会学会シンポジウムにて、
「独自サイバースペース・インフラとしてのコンピュータ・ゲーム 〜リアル・マネー・トレードと、経済システムの間〜」というお題で発表をさせていただいた資料(PDFファイル)が、下記のURLにアップロードされております。
http://www.glocom.ac.jp/symposium/20090131_3rd.pdf

要約:現在、インターネットは、万国共通の公共的プラットフォームとして機能している。そのため、ネットワーク中立性をめぐる問題等の、インターナショナルなガヴァナンスの問題が論じられている。一方で、オンラインゲームなどの世界は、インターネットのような一次的現実に属する公共空間としてのリアリティを認められず、二次的現実に属する<おままごと>の空間として括られている。だが、90年代末以降にオンラインゲームの世界で問題となったRMTと呼ばれる現象は、二次的現実空間の問題が、一次的現実の公共・基幹インフラに関わるような形で展開してきた。これは、二次的現実空間のインフラの問題も、一定規模・一定期間を超えれば一次的現実の公共性を考えるための変数として機能しうることを示している。のみならず二次的現実空間では、インフラ設計そのものを独自に構築できるため、コミュニケーション/行為のインフラとしての自由度は一次的公共空間のそれを凌駕する可能性を持ち得ている。本稿では、このような二次的現実のインフラが、一次的現実との間でどのように相互作用するのかを、RMTをめぐる実際の展開を一つのケーススタディとして示した。

 原稿そのものは、情報社会学会のプロシーディングスのほうに掲載されております。