Critique of Games メモと寸評

http://www.critiqueofgames.net の人のブログです。あんまり更新しません。

「ゲームの楽しさ」についての多変量分析を行っている研究リンク/随時更新

 

メモ的なもの。随時更新

 

 1.

Sherry, J. L., Lucas, K., Greenberg, B. S., & Lachlan, K. (2006). Video game uses and gratifications as predictors of use and game preference. Playing video games: Motives, responses, and consequences, 24(1), 213-224.

 

 あとで、詳細みる。因子分析やってる風なのは確認。

 

 2.

Wiebe, Eric N., Allison Lamb, Megan Hardy, and David Sharek. "Measuring engagement in video game-based environments: Investigation of the User Engagement Scale." Computers in Human Behavior 32 (2014): 123-132.

  • 研究対象:ビデオゲームプレイ中にエンゲージメント
  • 手法:EFA
  • 元尺度:UES(ユーザーエンゲージメントスケール)の6つのスケー
  • EFAの結果:Focused Attention(焦点を絞った注意), Perceived Usability(知覚されたユーザビリティ), Aesthetics(感性), and Satisfaction(満足)の4つのみに絞られる。※この4つを修正UES(UESz)と名付ける
  • 妥当性の検証:フロー・ステート・スケール(FSS)との比較を行い、FSSよりも、UESzがゲームのパフォーマンスを的確に予測した。

 

3.

https://www.emeraldinsight.com/doi/abs/10.1108/20426781111146763

Cianfrone, Beth A., James J. Zhang, and Yong Jae Ko. "Dimensions of motivation associated with playing sport video games: Modification and extension of the Sport Video Game Motivation Scale." Sport, Business and Management: An International Journal 1, no. 2 (2011): 172-189.

 

  • EFA
  • 元尺度:Sport Video Game Motivation Scale(SVGMS):Competition, Diversion, Enjoyment, Fantasy, Interest with Sport, Social Interaction, and Sport Knowledge Applicationなど
  • EFA結果:Competition, Diversion, Enjoyment, Fantasy, Social Interaction, Sport Interest, Sport Knowledge Application, and Team Identificationの8つ

 

4. 

https://www.emeraldinsight.com/doi/abs/10.1108/IJSMS-08-01-2006-B006

 Kim, Y., & Ross, S. D. (2006). An exploration of motives in sport video gaming. International Journal of Sports Marketing and Sponsorship8(1), 28-40.

  

5.

 

Mellecker, Robin, Elizabeth J. Lyons, and Tom Baranowski. "Disentangling fun and enjoyment in exergames using an expanded design, play, experience framework: A narrative review." GAMES FOR HEALTH: Research, Development, and Clinical Applications 2, no. 3 (2013): 142-149.

  • 研究対象:Exergames(Wii Sportsや、Kinect Sportsなどのエキササイズ系ゲーム)
  • 手法:EFA
  • クラスタ(1):▼元尺度:生徒に「あなたが楽しんでいるときの典型的な状況」を特徴づけるために、42の形容詞を選んでもらい、▼EFA結果:して、Sociability(社会性), contentment(満足度), achievement(達成度), sensual(官能性?), ecstatic(恍惚?)
  • クラスタ(2):▼元尺度:重要な「ビデオゲームの楽しさ」について、37の特徴から評価してもらい、▼EFA結果:Fantasy(ファンタジー), exploration(探検), companionship(仲間), competition(競争), realism(現実らしさ), and challenge(挑戦)の6因子
  • その他:MDAに近いモデルとしてDPE(Design,Play,Experience)が用いられている

 

6.

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjet/28/4/28_KJ00003730639/_pdf

山下利之, 清水孝昭, 栗山裕, & 橋下友茂. (2005). コンピュータゲームの特性と楽しさの分析. 日本教育工学会論文誌28(4), 349-355.

 

アンケートのEFA

 

研究対象:

手法:アンケート、EFA

アンケート内容:

(予備調査)公立大学工学部学部生計32名(男性24名,女性8名)に対して,“自分がこれまで実際に遊んだことのあるコンピュータゲームの中で,面白いと思ったゲームソフトのタイトルを5個以上10個未満書く”ことを求めた.その際,1)シリーズ作品に関しては,そのシリーズの中で最も面白かったものを一つだけ記入すること,2)シリーズ作品でも,例えば,RPG(RolePlayingGame)からネットワークを利用したゲームへ変更した場合など,ゲームのスタイル,ジャンルが大きく変わった場合には両者を記入してもよいこと,などを教示した

(本調査)公立大学工学部学部生計145名(男性129名,女性16名)とした.各被調査者は,16ページから成る小冊子を与えられた.教示や氏名欄が印刷された表紙に続く各ページには,1つのコンピュータゲーム名が記され,そのゲームの経験の有無を尋ねる質問が記されていた,経験があると回答した被調査者は,そのゲームの心理的印象に関して,前述した30の評定項目の各々に対して,‘‘Lあてはまらない”,“2.ややあてはまらない”,‘‘3.どちらともいえない”,“4.ややあてはまる”,“5,あてはまる”の5件法で評定することが求められた.

クラスタ

(予備調査)PR・シナリオ性、仮想性(-現実性)、運動型-思索型、キャラクター普及型-機器普及型

(本調査)ゲーム本来の楽しさ、感覚運動的興奮、設定状況の魅力、和みと癒やし、難解・頭脳型

 

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ふむ。

対象がいろいろと違うのであれだが。

ステマティックレビューみたいなことを考えた場合、測定対象の同一性が担保できていないので、システマティックレビューをやる意義がちょっとわかりにくい。

また、いずれも、基準連関妥当性 (criterion-referenced validity) 、内容的妥当性 (content validity)、構成概念妥当性 (construct validity)あたりについて、ある程度は考慮されているようには思える。ただ、バックにある理論がどんだけあるのかというと、そこは弱い。フロー体験とか以外に何か共有されている理論的基礎があるというわけでもない。私の連載の内容みたいなのをもう少しクリアなモデルに落としてやらないと、みんな、そもそも共通の土台にのっかって議論ができないよな、という状況だろうとは思うので、頑張ろう。

 

また、二重盲検法とランダムサンプリングみたいなことをきちんとやっている調査かどうかか、とかあたりもきちんと見ていけば、とりあえずのシステマティックレビューはできる気がする。 

 

 

あとで(2021年6月4日メモ)

-Boyan Bontchev, Dessislava Vassileva, Adelina Aleksieva-Petrova, Milen Petrov,
Playing styles based on experiential learning theory,Computers in Human Behavior,Volume 85,2018, Pages 319-328,
ISSN 0747-5632,https://doi.org/10.1016/j.chb.2018.04.009.

  • 260人の調査
  •  

 

 

あとで(2021年6月4日メモ)

eludamos.org

 

 

追記:

 

Demetrovics, Z., Urbán, R., Nagygyörgy, K. et al. Why do you play? The development of the motives for online gaming questionnaire (MOGQ). Behav Res 43, 814–825 (2011). https://doi.org/10.3758/s13428-011-0091-y

オンラインゲームについての調査

  • A total 3,818 persons (90.6% males; mean age 20.9 years, SD = 5.81)
  • Motives for Online Gaming Questionnaire (MOGQ).
  • coping–escape, fantasy, skill development, omnipotence (power), recreation, competition, and social motivesの7つに分けた。

 

 

 

Nick Yee(2006) オンラインゲームのモチベーション分類

  • これは因子分析?ではないっぽい。
  • Yee, N. (2006). Motivations for play in online games. CyberPsychology & behavior9(6), 772-775. https://doi.org/10.1089/cpb.2006.9.772
  • Advancement、Socializing、Discovery、Mechanics、Relationship、Role-Playing
    Competition、Teamwork、Customization、Escapism の10つ。α係数とかを見ている。
  • めっちゃ引用されてるやつ。どのぐらい再現性があるのかとか確認しておきたいところで…
  • 下記Yee, N., Ducheneaut, N., & Nelson, L. (2012, May). Online gaming motivations scale: development and validation. In Proceedings of the SIGCHI conference on human factors in computing systems (pp. 2803-2806).で、EFAがやられている。 https://dl.acm.org/doi/abs/10.1145/2207676.2208681
  • パッとみたところ、(1)Immersion, (2)Social (3)Achievement の3つに 分かれるとしてい。10個に分かれるという話との関係は…?
  • あと、Nick Yee& Nicolas Ducheneautは、Quantic Foundry Apps 

    https://apps.quanticfoundry.com/ja/

     というユーザープロフィールのツールを提供しているが、うーん。ちょっと論文を精読しないとなんとも言えないな、これは……という印象。因子分析をベースにした分類は、Big Fiveですら個別の人の診断については、誤差が大きいので、集団を分類した場合よりも、信頼度は「?」という印象だったが、このアンケートについても、正直よくわからないという印象。
    • 一応、自分自身で答えてみたが、私自身がゲーマーとして主たる想定対象に含まれていないという印象がはっきりと残る質問群だった。私自身がゲームをするにあたって重視するのは、ゲームデザインの新規性や、ストーリテリング手法の新規性などであって、Immersionも、Social Communicationも、Creative Playもほとんど重要ではない。熟達とか、中長期の計画をゲーム内でたてるは個人に好きだけれども、求めているものがあまりにも違う。
    • これは、元質問を作成した時点での「ゲーマー」集団のサンプリングが偏っているのではないかという感触が強い。少なくとも、インディーゲーム好きの人とかが対象だとは思えない。
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