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Critique of Games メモと寸評

http://www.critiqueofgames.net の人のブログです。あんまり更新しません。

献本御礼: 塚越 健司『ハクティビズムとは何か ハッカーと社会運動

編集者の上林さんから下記の本、ご献本いただきました。

ハクティビズムとは何か ハッカーと社会運動 (ソフトバンク新書)

ハクティビズムとは何か ハッカーと社会運動 (ソフトバンク新書)

 まだ、30分ぐらいさらっと目を通しただけですので、かなり乱暴な感想ですが、しっかり読んだ後に感想書こうと思うと、書かずに終わることが多いので、感想メモ。献本御礼エントリーという程度でさらっと流し読みいただければ幸い。

  • ハクティヴィズムの歴史が、けっこうきちんと書いてあるっぽかった。カリフォルニアン・イデオロギーとか、サイバースペース独立宣言、スティーヴン・レヴィ、Winnyの金子さんの話とか、そういった話についてはひと通り。
  • 最新の、アノニマスに関する位置づけが興味深い。Wikileaksジュリアン・アサンジなどは、ある種のハッカーの伝統に基づくものとして、位置づけつつ、アノニマスは既存のハッカー倫理の分類とは異質なもの、として評価すべきものになってきている、という。
  • 実際に、既存のハッカー倫理の分類によって処理しきれないタイプの存在としてアノニマスが出てきているというのは、どの程度妥当なのかは、私にはあんまりよく評価できないけれども、「目立った活動」を実際にやってのけている人たちとしては、異質なのかしらん。ここらへんは、ちょっときちんと読んだら面白いことが書いてありそうだな、と。
  • この本についての専門的な評価については、日頃からお世話になっております山根信二さん(http://twitter.com/shinjiyamane)とか、多摩大の山内先生(https://www.facebook.com/yyamanouchi)とか八田真行さん(http://www.mhatta.org/)とかのほうが、ガチな評価が期待できそうなので、ガチな評価はそちらで。
  • 僕に近いところでの絡みでいえば、
    • 1.本書のなかでも言及いただいている通り、スティーヴン・レヴィの『ハッカーズ』には草創期のATARIゲームプログラマーなどが、ハッカーの代表的なクラスタの一つとして、書かれており、そこらへんは広げられそうではあるけれども、あんまり広がってない話の一つ。ここらへんは、多分、今現在だと、同人とかインディーシーンの話で、がっちりと話を接続すると何かおもしろい話に展開しそうではある。
    • 2.ゲーミフィケーションの実装や、展開自体に、どうハッカーが絡んでくるのか、というところは論点としては一個あるなと。ただ、現状、ゲーミフィケーションが胡散臭いと思われているのは、かなりの場合、ハッカー的な気質をもっている人からで、そこらへんはハッカー的な人たちに積極的に絡んでもらいたいわー
      • ゲーミフィケーションの話とハッカー的な「コンピューターにハマる」という話は、そもそもは相性自体はいいはずなのだと思っている。僕が、意外と山根さんと仲がよかったりするのも、いつの間にやら山根さんがハッカー倫理の研究者から、ゲームの研究界隈に来ていただりしている。それは、結局は、「ハマる」ことを介して世界を変える、ということが実は一貫したテーマという部分があったから、というところがある。自らを、ハッカーだとみなしている人の多くは、いまマーケティング界隈の胡散臭いワードとなっている「ゲーミフィケーション」と似たところがある、と言われると、イヤかもしれないが、実は似たようなもんだと思っており、じつはかなり一緒にやってけるもんだと思っている。
    • 3.あと、先月? Life(http://www.tbsradio.jp/life/index.html)で、「動員と革命」という特集に出させていただきましたが、それこそ、ハッカー的な話との絡みとか、攻殻のネタが出た時に、もっと頑張って話せればよかったな、と反省しました。僕が話しても、ちょっと微妙な感じになるかもわかりませんが。


 ということで、ガチな感想はそのうち誰かが書いてくれるでしょう、ということで。献本ありがとうございました