先週金曜日に発表したDiGRA JAPAN(日本デジタルゲーム学会) ≪同人ゲームの潮流(1) 「同人ゲームの過去、現在、未来」≫での講演資料について、私の分をアップしておきます。
「ゲーム作りの文化のために―独立系デベロップメントシーンの比較試論―」
http://www.critiqueofgames.net/data/presentation/for_independent_development_for_web.pdf
私のは、他のシーンとの比較というような話にしてありますので、同人ゲームそのものについての扱いはそこまで大きくありません。(たぶん、当日会場にきていた聴衆の方のほうがよっぽど同人シーンについては詳しい。)
ご来場いただいたみなさん、ありがとうございました。
内容については、4gamer.netの記者の方がまとめてくださっています。
http://www.4gamer.net/games/042/G004287/20080928002/
(→その反応 http://b.hatena.ne.jp/entry/http://www.4gamer.net/games/042/G004287/20080928002/)
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#追記@2008/9/30
ベーマガについてのご指摘が多かったようなので、話の文脈を改めて書いておきますと、「80年代はベーマガが絶対神だった」という主張をするのが本旨ではなく、むしろ、みなさんのご指摘どおり、さまざまなマイコン誌が存在感をもっていたかと思います。これも「ベーマガ」「I/O」と言わずに「マイコン誌」「プログラム投稿誌」と書いたほうがよかったかもしれません(ご指摘いただいた方、ありがとうございました。)。別にベーマガが全てだったということを指摘したいわけではありませんので、「80年代前半の一時期、プログラム投稿誌では、複数の重要なインフラ的機能のかなりを、単体でカバーしていた」といったほうが、より言い方として適切かもしれません。プログラム投稿誌が、単なる技術的な下支えとして機能した以上に、流通から製作ノウハウまで含めた複数の機能を同時に果たしていたことが面白い、というのが指摘したかったことです。
現在において当時とまったく同様のことをするのは、もちろん無理かと思います(この点は、ABAさんに書いていただけていた通りですhttp://d.hatena.ne.jp/ABA/20080930)。ただ、重要なことは、「単一の機能を実現するだけではなく、複数の機能が実現されなければ、CGMってうまく成立しませんよね。そこは見誤ったらいけませんよね。」という話です。何がくだらないとか、何がすばらしいといった固有名詞に対する評価の話として受け取られた方にはすみません。講演時間をオーバーするなか、急いで話していたこともあり、そこらへんの配慮の足りないはしょった話し方として聞こえていたとしたら、お詫び申し上げます。
また、最後のほうで示したネットワークのイメージ図ですが、あれに反応していただいた方が予想以上に多かったようなのですが、あれはほんとうに「何を言わんとしているのか」ということをわかりやすく示すためだけに用意した概念図です。正確性について配慮のあるものではありません。当日も、少しの時間しかお見せしなかったかと思います。「口で言っても伝わらないから、脳内のモヤモヤをわかりやすく絵にしてみると、だいたいこんな感じです。」というものです。あの図のディテールについて、もし調査に基づいたものだとして理解されてしまうとすれば、それは確実に、図が一人歩きしてしまっている状態に他なりません。(というか、そう理解されてしまうのだとすると、具体的な固有名詞をすっぱりと書かないほうがよかったのかもしれません。「流通機能A」「評価機能B」とかそういう表記にして。)
あの図だけいきなり見て「こいつはわかってない…!」と思われた方は、もちろんいらっしゃるかと思います。で、もちろん、「こいつは実際の状況が描けていない」という指摘があるとすれば、それは全くもってその通りのご指摘です。「概念的にこういう捉え方ができるかもしれませんが、どうでしょう」という叩き台を提示させていただいた以上の何かではありませんので、ある程度はそう思ってもらわないと、むしろまずいぐらいです。
ですので、この図はここがおかしいとか、ここに線が引けるはずだ、といったご指摘は、おそらく、いくらでも可能なはずです。
もし、あの図をもっと実際に近づけさせたいと感じていただいた方がいらっしゃいましたら、発表させていただいた意義があろうというものです。ぜひ、描いてみて下さい。たぶん、私よりもよっぽど実状に近い図が描ける方は沢山いらっしゃると思います。
ご連絡いただきましたら、このエントリの下にでもリンクを張らせていただきたいと思います。