Critique of Games メモと寸評

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エンハンシング効果とアンダーマイニング効果

ゲーム系の文脈だと、アンダーマイニング効果(外発的動機づけでやる気なくす)の話が出てきやすいのだけれども、エンハンシング効果(外発的動機づけでやる気わく)の話があまりでてこないので、いくつか関連論文メモ

 

*エンハンシング効果関連

 

Butler, R. (1988). Enhancing and undermining intrinsic motivation: The effects of task‐involving and ego‐involving evaluation on interest and performance. British journal of educational psychology58(1), 1-14.

http://www.mauricevanwerkhooven.nl/wp-content/uploads/2015/09/Cijfers-belemmeren-diepgang-in-leren.-Ruth-Butler-Engelstalig.pdf

 

アブストから抜粋(DEEPL訳そのまま):

"無作為に選ばれた高学力または低学力の生徒132名を対象に、事前テスト時、操作中、および3回目のセッション時に興味とパフォーマンスを測定した。仮説通り、どちらの学力レベルにおいても、コメント後のタスクに対する興味とパフォーマンスは、さらなるコメントが予想される場合とそうでない場合の両方で最も高かった。評定と評定+コメントは、関心とパフォーマンスの両方に対して、似たような、そして全体的に損なわれるような効果を持っていたが、評定を受けた成績優秀者は、さらなる評定が予想される場合、高い関心と収束的思考を維持した。"

 

 

提示の文脈が大事だよという話

 

Cooke, L. J., Chambers, L. C., Añez, E. V., & Wardle, J. (2011). Facilitating or undermining? The effect of reward on food acceptance. A narrative review. Appetite57(2), 493-497.

 

アブストから抜粋(DEEPL訳そのまま):

パフォーマンスを向上させるための報酬の有益な効果を強調していますが、報酬の提供は内発的な動機を損ない、報酬を与えられたタスクの楽しみを減少させるという証拠があります。食品の領域では、結果はまちまちですが、これは少なくとも部分的には、測定結果(好きか摂取か)と対象食品に対する初期の動機づけレベル(好きか嫌いか)で説明できます。摂取が結果である場合、報酬はおおむね肯定的な効果を持っていますが、嗜好である場合、対象食品がすでに好きであれば、報酬は否定的な効果を持つ可能性があります。もう一つの問題は、提供される報酬の種類です。食べ物をご褒美として与えることは普遍的に否定的ですが、食べ物以外の有形のご褒美(シールなど)や有形でないご褒美(褒め言葉)は、子供が新しい食べ物や苦手な食べ物を十分な頻度で味わうように促すのに非常に効果的であることを示唆する証拠があります。

 

エンハンシング効果についての「信念」の強さ

 

エンハンシング効果のほうが素朴に、自信をもって信じられてる度合いが強いというタイプの結果。興味深いとも思うが、なんというか脱力感もある結果だな……。

https://www.nagoya-u.ac.jp/about-nu/public-relations/researchinfo/upload_images/201701206_env.pdf

しかし、このMotivation Scienceというジャーナルは面白そう。