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Critique of Games メモと寸評

http://www.critiqueofgames.net の人のブログです。あんまり更新しません。

「ゲームがつまらないな」と感じた時期 #03

ビデオゲーム

 三ヶ月前に掲載した「ゲームがつまらないな」と感じた時期を年代別に聞いたアンケートに、カトゆー家断絶からのリンクがあり、そのリンクに連鎖する形でいろいろなところからリンクをいただいたようです。
 で、那緒のつれづれ日記の那緒さんによれば

図1をみると1999年〜2001年あたりにつまらないと感じる人が多いみたいです。
ちょうどこのころは大作ゲームor続編ゲーム乱発してた時期かと。

 とのご意見をいただきましたが、それは「たぶん」ですが、那緒さんの主観に大きく左右されているものかと思います*1。ゲームの大作化・続編化を嘆く声はもっと前から散見されました。*2
 とは言っても、それが具体的にいつからなのかをあんまり厳密にいえないのが悲しいところで、ネット上をちらっとググッてみたところ続編タイトル/大作タイトルがゲーム市場に占める割合が時系列でどのように変化してきたかを示す統計情報は見つかりませんでしたが*3、これは「続編」については多分エクセルか何かに整理して持っている人がいればある程度すぐにデータとして出せるものだという気がします。
 ということで、以下はデータとして出してみたい、という人向けの提案です。

「続編」
  • 単純に「発売タイトル全体に占める続編タイトルの割合」については、
    1. 今まで出た全ゲームタイトル*4のうちタイトルに類似性が高いものを正規表現かなんかを利用したプログラムを組んで、「続編」タイトルを抽出。
    2. できれば正確性を増すために「続編」にあたるかどうかを人力で確認
    3. 年度ごとに「続編」タイトルが占める割合を算出

 という手続きである程度面白いデータが出てくると思うのだけれど、誰もやってる人が見当たらない…うーん。っていうか、「続編タイトル」を嘆き悲しむ傾向が強いわりにこういったデータがデータとしてすぐに見つからないっていうのは、むしろそのことのほうが問題かも。
 あと、

  • ゲームの売り上げに占める「続編タイトル」の傾向については
    1. 毎年ファミ通とかが公表しているコンシューマーゲームの売り上げ上位100タイトルなどの情報をなるべく昔の分まで入手する。*5
    2. で、そのうちから続編タイトルと思われるものをピックアップ(自動 or 人力)
    3. 売り上げ上位における続編タイトルが占める割合を算出

 というのを通時的なデータとして出していければ、これも面白いデータができるはず。ただ、これだとコンシューマーの売り上げ上位という中から抽出しただけなので、厳密にゲームの市場全体における続編タイトルが占める売り上げは見えません。ので、まあ、この方法で出される数値はあくまで「指標」として用いるという形になるでしょうか

「大作」

 また、「大作タイトル」については厳密に線引きをするのが難しいですね。何をもって「大作」とするかですが、たとえばそれが「ゲームの開発費が莫大なもの」という基準で「大作タイトル」というならば、開発費についての揃ったデータが必要になります。ですが、開発費については『CESAゲーム白書』とかでさえあまり正確な数値を把握できていないことなどで、個人のレベルではそういったデータを入手することはとてつもなく難しいでしょう。それに、開発にかかる費用というのも、年を重ねるにつれて平均値となるタイトル一本あたりの開発費用がどんどん変わっていっているはずなので*6、そこでどういった線引きを採用すればいいのか、という問題もあります。あるいは、開発費全体で見るのではなく、宣伝費用だけで見て「大作」を規定するという方法もあるかもしれませんが、なんにせよ元となるデータの入手からして困難だという問題があります。
 次に、データとして入手するのは大変ですが、「開発スタッフの人数」が多いものを「大作」とするならば、手間と時間と人手をかければ、データ入手は可能ですね*7。ただ、そうは言っても入手しやすいスタッフリストは大半がヒットしたゲームのものばかりなので、「人気ゲームの大作化傾向」の調査であって、「ゲーム市場における大作の割合」調査とは別の調査になってしまいそうです。あともちろんこれについても、何人以上ならば「大作」なのかという線引きの問題がついてまわります。
 最も現実的に簡単な方法としては「大作」=「人気ゲーム」という形で操作的に定義してしまって、ゲームタイトルの売り上げの二極化傾向とかを調べるっていうのならば、そんなに不可能なことではないと思います。さきほども言及した、ある程度充実したゲームタイトルの売り上げデータが入手できればいいわけですから。それをもとに「負け組」と「勝ち組」の二極化傾向みたいなものがどの程度変遷してきたかを調べるぐらいのことはできるのではないでしょうか。*8


 と、提案してみるだけでナンですが……まあ可能そうなものについて可能な範囲で自分でもチラッと手をつけてみるかもしれません。できればこういう提案だけを定期的に貯めていって「卒論間際の学部四年生のみなさんとかどうよ?」みたいな連携が図れればいいっすな。
 というわけで、卒論間際の学部四年生のみなさんとかどうよ?

*1:とは言っても、そのような主観を表明していただくことに全く価値がない、などということを言うつもりではありません。むしろ、そのような主観が抱かれているという状態そのものが興味深いことでもあると感じます。…というか、そういう話以前に「たったニ、三行の記述にマジレスカコワルイ!」みたいなことを言われると、「すみませんでしたー!!」と体育会系的に、条件反射的に、キツツキのように謝ります。

*2:あまり意識的に調べてないですが、単純に、「続編タイトルばっか増えて嫌だわ、プンプン」みたいな話の起源的なものはは90年代初期からとっくに見られたはずです。たしか。80年代にもかなりあったかと思います。たしか。さすがに70年代にはなかったはずですが、やや似たような議論ならば、1976年12月『電子技術』誌第18巻第12号P51に「脱ボールゲームへの展望」と題して、当時のビデオゲーム市場が、「"脱ボールゲーム"になることは必至」などといった話が見られます。このとき「ボールゲーム」といわれているのは初期の単純なテニスゲームや、PONGなどのことです。●●●追記:yms-zunさんからのトラックバックで、「続編」「大作」とは少し話が違いますが、http://d.hatena.ne.jp/yms-zun/20040402 にて「最近のゲームはつまらなくなった」式のコメントが1986年にはすでに存在している、という情報をいただきました。ありがとうございます。

*3:続編+ゲーム+統計 とかでググッてみて出てきたのはhttp://www.dj-joker.com/fukyou/yomi.cgi?mode=RePlay だけでした。

*4:手近なところでは、『広技苑』とかを利用すればコンシューマーのゲームタイトルについてのデータはかなりそろいます。ある程度きちんとしたお金が出せるなら松原圭吾氏などを召還するのがベストでしょう。なお、ZOEさんにさっき教えていただきましたが、http://www.mainichi-msn.co.jp/entertainment/game/etc/hatsubaibi/ で広技苑のデータを元にしたゲームタイトルのリストを公表してますね。

*5:これについて、ある程度は zoocar's page →http://zoocar.cool.ne.jp/ さんがまとめていらっしゃいますね。

*6:これは年を重ねるにつれて開発費が高騰しているという単純な話ではなく、新しいハードへと移行するときに新しい環境になれば、当然開発のノウハウがいくつか使えなくなるので新ハードでの開発初期は、非常に開発費が高騰したりすることになるみたいです。新ハードが出て数年を経れば開発コストを抑えるためのノウハウとかミドルウェアとかが充実してきたりするので、そこで開発費用が下がったり。

*7:→たとえば、ざるの会の、スタッフ調査プロジェクト → http://www11.ocn.ne.jp/~zaru/zaru/etc/staff.html 、物凄い勢いでスタッフロールを集めるHP → http://www.geocities.jp/staffroll_game/ 、物凄い勢いでスタッフロールを集めるスレ(2ch) →  http://game10.2ch.net/test/read.cgi/gsaloon/1103463873/1-100 、あとスクウェアのものに関しては手前味噌ですが、ケヒトさんの作成された → http://www.critiqueofgames.net/data/ros/index.html も。

*8:というか、その程度のものならば、たぶん90年代初期ぐらいからどこかでマーケティング用データとして出回ってるっぽいですね。