お世話さまです。4月1日ということで、業績書の更新作業をしましたので、一年単位での近況報告です。
CURRICULUM VITAE/履歴書・業績書 - Google スプレッドシート
- 1.ゲームや、遊びの提案など
- 2.書いたもの
- 3.学会・カンファレンス等での発表
- 4.ゲーム保存関係の事業
- 4.オンライン授業
- 5.学生指導
- 6.助成金・科研費等の応募
- 7.その他:たくさんの勉強会・研究会・研究プロジェクト
- 8.肩書等
1.ゲームや、遊びの提案など
今年度は、まずボードゲーム『コモンズの悲喜劇』(藤枝侑夏・井上明人、Team Sandbox)をリリースしました………が、Covid 19&ゲームマーケットの中止により、なかなか試遊していただける環境ができず……といった状況でしたので、みなさま、まだ在庫ありますので、ぜひお買い求めください。
あと、Covid 19の状況下での遊びの提案ということで、youtube散歩の提案などをしつつ、自分でも、いろいろと撮影したり、アフリカの都市を歩いたりしながら遊んでいました。三宅さん、田端さんらには、発案段階でご相談にのっていただき改めてありがとうございました。
これは、もうちょっと遊び方をガイドするようなサイトなど作れればと思っていますが、手がまわっていません。
それと、一昨年から『マナーな食卓』というカードゲームを大谷道高や三浦麻乃さんらと作っていたので、4月のゲームマーケットにいらっしゃる方はよろしくお願いします。
2.書いたもの
集中力を要するちゃんとした文章は、いつも深夜の漫画喫茶とか、サイゼリアで文章を書くのが常なのですが、今年は、covid 19のため、そのワザがほとんど使えず、正直なところあまり長い文章というのをほとんど書けませんでした。結果的に、今年は文章を書く作業自体が、だいぶ辛い気持ちが強かったという感じでした。自分にとっては、書く「場所」の問題は本当に重要だと実感した次第です。
Covid 19以前に書いたものが今年になってリリースされたもの
- Akito Inoue, Martin Roth. 2020. 「Gamification」『Japanese Media and Popular Culture Keywords』The University of Tokyo Interfaculty Initiative in Information Studies
- 井上明人. 2020. 「多層的な現象としてのゲーム」『デジタルゲーム研究入門』
2020年度に書いたもの
- 井上明人. 2020. 「游戏论·历史的维度|日本游戏批评小史:“厉害”的游戏文化」『澎湃新聞』 ※日本語で書いたものを翻訳していただきました。
- 井上明人. 2020. 「「意図せざる社会秩序」の生成を表現するメディアとしてのゲーム」『美術手帖』, 1083, pp90-91
- 井上明人. 2021. 「『パラッパラッパー』解説原稿」『Ludo musica展カタログ』, , pp18-19
- 井上明人、尾鼻崇、中村彰憲、細井浩一. 2021. 「持続可能なゲームアーカイブの構築のための専門性についての一考察」『アート・リサーチ』, 21, pp93-102
あと、planets連載も、covid 19以後だいぶご迷惑をおかけしていて、下記ぐらいしか書けていない状況でした。
アジアを羽ばたいてしまっている異世界転生|井上明人|PLANETS|note
3.学会・カンファレンス等での発表
長い文章は書けずとも、パワポは作れるという感じで、学会発表自体は下記のような感じでいろいろな形でやらせていただきました。
- 井上明人. 2020. 「過去のゲームが失われる前に何ができるのかーアーカイブ、DB、利活用ー」『CEDEC 2020』
- Kazuhiko Ota, Akito Inoue, Yuka Fujieda. 2020. 「Commons and Serious Games」『Kyoto 2020: IASC-RIHN Online Workshop 』
- Martin Roth, Kazufumi Fukuda, Zoltan Kacsuk, Akito Inoue. 2020. 「Tracing playful media practice: Challenges for Theory, Methodology, and Infrastructure」『』Japanese Association for Digital Humanities Japanese Association for Digital Humanities(JADH) 2020
- 太田和彦, 井上明人, 藤枝侑夏, 大谷通高. 2021. 「シリアスボードゲームジャムの生態系―シリアスボードゲームジャム 2018,2019 の事例から―」『日本デジタルゲーム学会 第 11 回年次大会 予稿集』日本デジタルゲーム学会, , pp35-38
- 大谷通高, 井上明人, 三浦麻乃, 松井哲也. 2021. 「ボードゲーム 『マナーな食卓』の制作についての報告 -制作経緯と基本ルールの試行錯誤に関する報告-」『日本デジタルゲーム学会 第 11 回年次大会 予稿集』日本デジタルゲーム学会, , pp39-42
- 松田早紀, 井上明人, 毛利仁美, 上村雅之. 2021. 「ビデオゲームプレイにおける性差と規範意識についての探索的研究- 『グランド・セフト・オート 3』プレイアーカイブ・ビデオの内容分析から」『日本デジタルゲーム学会 第 11 回年次大会 予稿集』日本デジタルゲーム学会, , pp45-48
- 松田早紀, 井上明人, 細井浩一. 2021. 「ゲームプレイによる空間認識能力への影響について」『日本デジタルゲーム学会 第 11 回年次大会 予稿集』日本デジタルゲーム学会, , pp53-56
- 原泰史, 福田一史, 井上明人, 生稲史彦, 清水洋. 2021. 「ゲーム産業の規模と範囲を測定する―立命館 RCGS コレクションと企業情報データベースを用いた予備的分析―」『日本デジタルゲーム学会 第 11 回年次大会 予稿集』日本デジタルゲーム学会, , pp75-78
4.ゲーム保存関係の事業
2020年は、2019年までよりも、いろいろな方に頼らせていただいた感じになりました。
しばらくしたら、下記のサイトのほうで、報告書が掲載されるかと思いますが、
メディア芸術カレントコンテンツ - マンガ・アニメ・ゲーム・メディアアートをもっと知るための情報サイト (bunka.go.jp)
2020年度は、一昨年まで僕がやっていた仕事の多くを尾鼻崇先生に担っていただき、尾鼻さん中心で、国内のゲーム保存のための連絡会議の開催(ゲームアーカイブ推進連絡協議会)や、ゲーム音楽展の開催、CEDECでの発表などをやっていただきました。
立命館のゲーム研究センター全体ということでは、同僚の福田さんが中心となって作成した先進的なデータ構造を備えたゲームのオープンデータである、RCGS CollectionがDAPCONでデジタルアーカイブ産業賞 技術賞をいただくなどといったことがありました。
4.オンライン授業
Covid19下で、実質的に一番時間を割かれたのは、たぶんどこの大学の先生もそうだと思いますが、授業でしたね……。アウトプットをお見せできないので恐縮ですが、まあ、大変でした。
いろいろ、試行錯誤ができたので面白くもありましたが。授業のアシスタントをしていただいた、安田さん、辻さん、木下さんらにもだいぶ助けられました。
5.学生指導
また、2020年度は、細井・井上共同ゼミののゼミ生が、はじめてのゼミ生が卒論を書きあげる年でもありました。指導した学生の論文が学部の最優秀の賞をいただけるなどといったこともあり、私も嬉しかったです。
また、専任ではないところだと、立命館の先端研の大学院生のみなさんが中心になって実施したマインクラフトのプロジェクトの予算申請書のとりまとめをさせていただいたり、
京都大学の大学院生の閻さんの修論のサポートなどさせていただきました。
みなさん、とても優秀で、私が教えられることのほうが多かったです。
6.助成金・科研費等の応募
科研費などの大きめの予算への応募で、いろいろな方のご協力をいただき、みなさま、その節は大変ありがとうございました。
なかなか2020年度は予算獲得には至りませんでしたが、次年度以後も内容をブラッシュアップさせる形で申請していきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
7.その他:たくさんの勉強会・研究会・研究プロジェクト
昨年度はあとは、勉強会がいろいろと盛んだったなというように思います。なんか昨年度は、かなりいろんな読書会やら、勉強会を主催したり、参加していたように思います。
特に、勉強会を主催していただいた先生方、また私が主催した研究会にご参加いただいたみなさまには改めて御礼申し上げたいと思います。
(ちょっと、勉強会によって外に出していい話だったかどうか微妙な状態のものも多かったので、恐縮ながら、各研究会等の名称は割愛させていただきます)
これは怪我の功名とでもいいますか、2020年度にみんながオンラインベースになった影響なんだと思いますが、オンラインでの勉強会が昨年はとても沢山増えたなという年でもありました。
関東と関西の垣根を超えるのはもちろんとして、ヨーロッパ、アメリカ、アジア各国にいる方と一緒に議論ができ、「対面は無理だしね」という割り切りがある意味でよい方向に働いた部分だったかな、と思います。
8.肩書等
昨年度の肩書等の変化は特にありませんが、一橋のCAREEプロジェクトの原先生らと一緒に研究をはじめたことで、一橋CAREEの客員研究員に名前を加えていただくことになりました。ありがとうございます。
今年、2021年度の4月からの私の肩書等は、特に変わりません(立命館大学映像学部専任講師)が、非常勤を一昨年から一コマ持たせていただいている京都大学文学部に、長年の研究仲間である松永さんが今日から常勤の職を得ることになり、自分のことのように(というか、自分のことよりも)嬉しく思っております。
個人的な体感としては、正直、昨年度は、ほとんど筆がすすまなかったのであんまりアウトプットが出ず、ダメだったなあという感触があったのですが、こうして振り返ると、意外といろいろやってたな……という気もします。
みなさま、2021年度もよろしくお願いいたします。