Critique of Games メモと寸評

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どこからが「ゲーム世代」なのか。

 ビデオゲームの話がまったく通じなさそうな、ご年配の方と話しているときに、

 「僕も、インベーダーはけっこうやりこみましたよ。僕も、ゲーム世代です。はっはっはっ」みたいな、申告をいただくことがたまにある。

 ぶっちゃけ、99%社交辞令的におっしゃられているだけだろうと思っているが、とはいえ、中には、ガチで、インベーダー時代にゲームに関わっていたという人もいる。ゲーム業界のご年配の方だと、実際70年代末のガチ勢は多いし、ゲーム業界外でもいらっしゃる。たとえば、学生時代に少しお世話になった冨田勝先生(57年生まれ)とかは、インベーダー世代の中では、かなりのガチ勢で、当時、ご自身でゲームを作られていたということでもあった。

 一方、「ゲーム世代」といった場合に、もう少し、一般的に受け入れられている範囲は、インベーダーよりはもう少し後が多いだろう。アーケードだとインベーダー以後、どこで区切るのかは難しいが、PC系であれば80年代初期のマイコンブームあたりで、がっちりはまった世代ということになるだろう。

 もっとも、人口に膾炙しているであろう、「ゲーム世代」という言葉のイメージは、やはり、80年代中盤のファミコンブーム以後だろうから、85年ぐらいに中高生未満だった世代ということになる。(一番上で、60年代末ぐらい)

 ちょっと整理してみよう。

 

団塊世代より上:この世代は、どう解釈しても、ゲーム世代とは呼ばないだろう。企業サイドでみると、山内溥(1927年生)、すぎやまこういち(1931年生)上村雅之(1943年生)、西角友宏(1944年生)、

団塊世代(1947年(昭和22年)~1949年(昭和24年)生まれ):インベーダブーム当時、ギリギリ20代で、結構やりこんだという人は多数。ただ、ファミコンブーム以後は、「子供に買い与えたもの」という印象。福嶋 康博(1947年生)、竹田玄洋(1949年生)

■1950年代中盤までの生まれ:インベーダーブーム当時20代中盤。襟川陽一(1950年生ま)、沢野和則(1951年生)、宮本茂(1952年生)、芸夢狂人(1953年)、堀井雄二(1954年生)、岩谷徹(1955年生)。

■1950年代後半生まれ:インベーダーブーム時代に20前後だった人々。マイコンブームで、ギリ大学生。ファミコンブームのときにはすでに社会人。アンドリュー・グリーンバーグ(1957年生)鈴木裕(1958年生)、遠藤雅伸(1959年生)、高橋名人(1959年生)、岩田聡(1959年生)

■1960年代前半:インベーダーブームのときに中学~高校。マイコンブームの時に大学生。ファミコンブームのときは社会人なりたてぐらい。Will Wright(1960年生)、岡本吉起(1961年生)、坂口博信(1962年生)、河津秋敏(1962年生)

■1960年代中盤:インベーダの時に中学。マイコンブームで高校生。ファミコンブームで大学生。中村光一(1964年生)。山下章(1964年生)安田 朗(1964年生)、米光一成(1964年生)、名越 稔洋(65年生)、水口哲也(65年生)、中裕司(65年生)、見城 こうじ(1965年生)

■1960年代後半:インベーダーブームのときに、10歳前後。マイコンブームで中学生ファミコンブームで、高校生という世代。西谷亮(1967年生)、古代 祐三(1967年生)、飯田和敏(1968年生)、須田剛一(1968年生)

■1970年代前半:インベーダーブームで小学校低学年。マイコンブームで小学校高学年。ファミコンブームで中学生~高校生神谷英樹(1970年生)、上田文人(1970年生)、飯野賢治(1970年生)、斎藤由多加(1972年生)

■1970年代中盤:インベーダーの記憶はおぼろげ。マイコンブームが小学校低学年。ファミコンブームで小学生~中学生。

■1970年代後半:インベーダーブームはリアルタイムでは覚えていない世代。マイコンブームにのっかるのが難しくなる世代。ファミコンブームの時に小学生で完全に直撃した世代五反田義治(1976年生)

■1980年代前半:幼稚園のときにファミコンブーム。成長とともに、パラレルにゲームの進化がある世代。

■1980年代中盤生:物心ついた頃には、SFCがあった世代。

 

 「ゲーム世代」という表現が、おそらくほとんどの場合に違和感がないのが、70年代中盤以後生まれのファミコンブーム直撃世代だろうと思う。完全に社会現象に呑まれているし、特に男性は、「クラスの友達とゲームの話ができないと、会話に混ざれない」という経験がよく見られるようになる世代だろう。

 80年代初期のマイコンブームを引っ張った60年代中盤~70年代前半ぐらいの生まれの人を「ゲーム世代」と呼ぶかどうかは難しく、判断が分かれるところだろう。